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役員変更登記は放っておいてはダメ!役員変更登記の一部始終を解説

役員変更登記は放っておいてはダメ!役員変更登記の一部始終を解説

会社登記は設立したら終わりではありません。会社住所、事業内容の変更など設立時の会社定款に何らかの変更があった場合も、法務局に変更登記手続きを行う必要があります。役員変更もその一つです。

役員変更登記の種類、費用、必要書類、手順などを解説します。

【注意!】役員変更して商業登記しなければ罰金が来る!

会社の登記事項で役員になんらかの変更があった場合、必ず2週間以内に役員の変更登記の届出が義務付けられています。

経営者は登記手続きの専門家ではありません。登記変更に関して知識も乏しく、認識も甘いのでついつい放置されたままのケースも見受けられます。

ですが役員変更の登記を怠っていると、思わぬリスクが発生するので注意しましょう。

役員変更をしなかった場合の4つのリスク

  • 過料(罰金)を請求されるリスクがある
  • 会社経営が続けられなくなる
  • 許認可がおりなくなる
  • 相続問題が発生するリスクがある

過料(罰金)を請求されるリスクがある

役員変更の登記事項は2週間以内に届ける義務があります。会社法第915条1項で定められています。
役員変更をしないまま放置しておくと、【登記懈怠】として法務局から過料(罰金)が請求される場合があります。

2週間の期限を破って登記申請をすると、代表者個人に対し100万円以下の過料の制裁(罰金)を受けるリスクがあります。とはいえ、全ての役員変更の登記を怠った会社が全て罰せられるわけではありません。

役員が死亡しても長期に渡って放置している場合も多いようです。

ですが、過料が課せられたケースもあります。役員変更登記を怠っている会社は全て過料を請求される可能性があります。

過料を怠っていた年数が長いほど過料の制裁を受ける確率が高くなります。

会社経営が続けられなくなる

役員変更登記を怠ると、会社経営が続けられなくなるリスクがあります。

最後に登記をして12年経過した株式会社は休眠会社扱いされて、そのままにしておくと解散したと認識される【みなし解散登記】扱いになります。

法務局の通知を無視してそのままにしておくと、そのまま解散登記手続きが行われ、会社が消滅してしまいます。

みなし解散登記されても3年以内であれば、会社を復活することができます。 それでも費用と手間がかかり、事業の妨げになります。

たとえひとりで設立した株式会社でも、取締役の最長の任期が10年とされており、再任される場合も変更登記が必要です。

許認可がおりなくなる

許認可が必要な事業の場合、きちんと法人登記を行わない会社は許認可を外される危険があります。

相続問題が発生するリスクがある

今では1人でも設立できる株式会社ですが、かつては複数の発起人が必要でした。そのため役員の名義貸しが行われ形だけ役員に就任する場合がありました。
名義を貸した役員が残ったままの登記を続けていると、名義貸しの役員が死亡した場合、その相続人に権利が移ります。

役員が保持している株式を所有する権利が生まれます。
無用な相続トラブルに発展する危険があるのです。

役員変更の種類

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役員変更の種類は以下のものになります。

  • 新任
  • 退任
  • 解任
  • 死亡
  • 再任
  • 役員の住所変更
  • 役員の氏名の変更

このうち最も忘れがちなのが再任した場合です。
社内の人事が何も変わらないのでうっかりやり過ごしてしまう危険があります。
また、役員が住所変更した場合や、婚姻・離婚などで姓名が変わった場合にも変更登記が必要になります。

結婚した場合も旧姓で仕事をする人のために、氏名変更する際に婚姻前の姓を記入できるようになりました。
登記をする際に別姓で業務に支障をきたさないためです。

法人登記を信頼できる司法書士や行政書士と継続した取引をすると、登記の手続きの漏れを防ぐことができます。

株式会社の役員の任期

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株式会社の役員の任期は次の通りです。

  • 代表取締役  原則10年
  • 会計参与   原則2年
  • 取締役    原則2年
  • 監査役    原則4年
  • 会計監査人  原則1年
  • 執行役    原則1年

非公開会社だと、取締役、監査役、会計参与の任期は10年延長することができます。

合同会社の役員変更登記

合同会社の場合役員は存在せず、
出資者は全員【社員】と定義され合同会社の代表は【代表社員】となります。

合同会社の場合、社員に任期はありません。任期がないので再任登記の必要はありません。ですが、新任や退任、辞任、解任、死亡した場合は株式会社と変わらず役員変更登記が必要になります。

会社役員変更登記必要な書類

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役員変更登記に必要な書類は以下の通りです。

変更登記申請書

変更登記申請書のフォーマットは法務局の
【商業・法人登記の申請書様式】
で取得できます。

登記事項証明書

役員変更の登記事項証明書のフォーマットは法務省のホームページから取得できます。
または電子申請を行う場合は【申請用総合ソフト】にその様式が含まれているので別途用意する必要はありません。

【目次】の第1株式会社の項目の2の役員変更の項目にあります。
役員変更の種類によってフォーマットが違いますのでよく確認してください。
必要な添付書類もフォーマットが用意されていますので、あらかじめダウンロードして記入しておきましょう。

添付書類

本人確認証明書

再任はのぞく株式会社の取締役、監査役の就任による変更登記には、就任する役員の印鑑証明書が提出されない場合、役員の氏名・住所が記載された公的証明書が必要です。

本人確認証明書として使用できるのは、

  • 住民票記載事項証明書(住民票の写し)個人番号が記載されていないもの
  • 戸籍の附票
  • 住基ネットカード
  • マイナンバーカードのコピー
  • 運転免許証のコピー

住基ネットカード、マイナンバーカード、運転免許証などのコピーの場合は「原本と相違ない」と記載して本人の記名押印が必要です。

役員が就任する場合

  • 株主総会議事録
  • 就任承諾書及び誓約書
  • 議長及び議事録署名人の印鑑証明書
  • 会社定款

役員が再任する場合

  • 株主総会議事録
  • 議長及び議事録署名人の印鑑証明書
  • 会社定款

役員が辞任する場合

  • 辞任届

役員が解任され場合

  • 株主総会議事録
  • 会社定款

役員が退任した場合

  • 株式総会議事録
  • 議長および議事録署名人の印鑑証明書
  • 会社定款

役員が死亡した場合

  • 役員の死亡診断書または戸籍謄本を添付

役員変更登記は専門家に任せることがおすすめ

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役員変更の登記申請は専門家でなくても申請できます。登記申請は法務局のサイトをもれなく読んで、手順どおりに行えば確実に1人でもできます。

でも膨大な時間がかかり、それでも1回で書類が受理される保証はなく、書類が登記完了するまで何度もやり直しになります。

専門家に頼めば当然代行手数料がかかります。自分で行えば、その分費用が安くすみますが、そこで費やす手間と時間を考えれば手数料の費用対効果は大きいです。

経営者の時間管理は会社の運命を左右します。登記変更は専門家の代行手数料を含めても設立登記ほど高くないので専門家にまかせて、事業に大事な行動を優先させましょう。

会社役員変更登記の費用

役員変更の登記に必要な費用について、わかりやすく解説をすすめていきます。

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登録免許税 10,000円

資本金1億円以下の会社は10,000円。
資本金1億円以上の会社は3万円になります。

  • 登記事項証明書の書面600円
  • オンライン請求・送付500円
  • オンライン請求・窓口交付480円

専門家の代行手数料

役員変更登記を司法書士や行政書士への代行手数料の相場は2万円から4万円になります。

専門家に依頼した場合は登録免許税や証明書の発行手数料を含めると、約3~6万円の費用がかかります。個人で役員変更登記する時に電子申請をする場合は、変更登記申請書に電子証明書を添付することが義務付けられています。

電子証明書の発行手数料

電子証明書には発行手数料がかかり、期限があります。
期限に応じて最短の3ヶ月で2500円、最長は27カ月で16,900円になります。

会社の役員変更登記を自力で申請する方法

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ご自分で役員変更登記場合には書面申請とオンライン申請があります。

書面申請は2種類あります。

  • 通常の書面申請
  • QRコードつきの書面申請

QRコードつきの書面申請は言ってみれば、書面申請とオンライン請求の折衷型です。
後述するオンライン申請と同じ【申請用綜合ソフト】を登記申請書を作成し、管轄の登記書にネット経由で送信します。

電子証明書を発行しなくていいので、電子証明書を発行する手間と発行手数料がかかりません。 また作成したデータを管理して・再利用できます。

くわしくは法務局のサイトを確認してください。

完全オンライン会社の役員変更登記申請の準備

役員変更登記を完全オンラインでする方法です。まずオンライン登記申請には事前準備が必要です。
会社設立した時にすでにオンライン登記申請をされていた方には不用です。次の【完全オンライン役員変更登記申請】に移ってください。

オンライン登記申請には次のものが必要です。

  • パソコン(動作保証されているOSのみ)
  • 電子証明書

電子申請を行うには【登記・供託オンライン申請システム】
から【申請用総合ソフトをダウンロード】します。
ダウンロードするには申請者登録が必要です。
左下の【申請者情報登録】をクリックして必要情報を記入して登録を完了してください。

【ダウンロード】の項目から【ソフトウェアのダウンロード】を【申請用総合ソフト】のダウンロードをクリックします。

電子証明書の取得

専用ソフトをダウンロード

法務省のHPから【商業登記電子認証ソフト】をダウンロードします。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00027.html

申請書の作成

ソフトを立ち上げたら、
【鍵ペアファイルの及び証明書発行申請ファイルの作成」クリック
入力案内に従って必須の項目を記入します。これから必要なパスワードを作成するのでパスワードは必ず忘れないように保存しましょう。

記入後【鍵ペアファイル及び証明書発行申請ファイル作成実行】ボタンをクリック。

作成したファイルのデータははのちの提出する書類に必要です。
【登記所に提出するファイル(SHINSEI)】が登記所に提出します。
【登記所に提出する申請書】は印刷して必要事項の追記を行ってください。

登記所へ申請

最寄りの登記所へ申請に出向きます。

申請に必要なもの
  • 2で作った【登記所に提出する申請書】
  • 【登記所に提出するファイル(SHINSEI)】だけが保存されたCD、DVD、USBメモリ。

提出して手続きが完了すると、【電子証明書発行確認票】が発行されます。

電子証明書の取得

電子証明書発行に必要なもの
  • 鍵ペアファイル(2で作成したもの)
  • 電子証明書発行確認票(3で登記所から発行されたもの)

【商業登記電子認証ソフト】から【電子証明取得】をクリック。
2で作成した記入項目、パスワードを入力します。【電子証明書取得実行】をクリック。

これで電子証明書が発行されました。 証明期間中はシリアル番号、鍵ペアファイル、パスワードがあれば何度でも取得可能です。電子証明書は【申請用総合ソフト】で申請書類に署名する際に呼び出します。

完全オンラインの会社役員変更登記申請

【申請用綜合ソフト】の【処理状況表示】の画面左上の【申請書作成】をクリックします。

【商業登記申請書】の【登記申請書(会社用)】を選択します。申請書作成・編集画面に入って必要な項目に記入します。
真ん中の【登記申請書】の左側の空欄に【株式会社変更】と入力します。

【登記の自由】に役員変更の内容を記入します。
【登記すべき事項】の別紙の中から【株式会社関係】から【役員変更】の項目を選択します。【役員変更・全員重任・個別】と【役員変更・就任・辞任・死亡】のいずれかを選択します。

右端の転記をクリックすると、作成例が表示されるので、必要な部分を記入・編集します。
【登録免許税】を記入し、【添付書類】に添付する書類と枚数を記入します。
【印鑑届出】の有無にチェックをします。

入力内容に誤りがないか【プレビュー表示】【チェック】などで誤りがないか確認します。 確認ができたら【完了】をクリックして保存します。

電子署名の付与

保存した申請書を選択して、【署名付与】をクリックします。
【ファイルで署名】をクリックして、作成した電子証明書のアクセスパスワードを記入し【確定】をクリックします。
右端に【署名付与完了】が表示されていたら完了しています。

申請書の送付

【処理状況表示】から【申請データ送信】をクリックします。
一番右上【更新】をクリックすると、送信が完了したら【到達待ち】から【到達・受付待ち】と表示されます。

登録免許税の電子納付

【申請データ】の【到達】が確認できたら、【納付】が表示されています。

【納付】をクリックして、インターネット銀行から電子納付する場合はそこから処理を開始します。
ペイジー対応のATMで納付する場合は、印刷をクリックして納付情報を控えて、ATMで入金します。

添付書面の提出

オンラインシステムの添付情報が書面の場合は添付書面と【書面により提出した添付情報の内訳表】を法務局に提出する必要があります。 【添付情報内訳表】は処理状況表示に【受付完了】の表示がされている場合に印刷することができます。

【アクション】から【【書面により提出した添付情報の内訳表の印刷】をクリックして書面を印刷します。
登記手続きが終了して、【更新】をクリックすると【手続終了】の文字が表示されたら全ての処理が完了です。

法人登記を含め登記処理は信頼できる専門家をみつけておこう

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以上、役員変更の登記を説明しました。
節税のために税理士にすすめられた法人化した会社は得てして法人登記、商業登記に疎いようです。

餅は餅屋といいますが、税理士は税務の専門家なので登記は専門外です。
定期的な登記変更を忘れていると、思わぬトラブルが発生します。
法的な手続きは信頼できる専門家にお願いして、ビジネスで最も大事なことに集中しましょう。

企業の教科書
金子 武弘
記事の監修者 金子 武弘
税理士法人 きわみ事務所 所属税理士

東京都千代田区にある税理士法人きわみ事務所の所属税理士。
日本一周中に税理士合格を果たすなど、アクティブでフランクに頼りやすいところがポイント。
徹底した経営者目線を大切に、なんでも対応ができるオールラウンダーな税理士を目指す。

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