税金・税務

法人税をわかりやすく解説|経営初心者でも簡単に分かる法人税の仕組み!

法人税をわかりやすく解説|経営初心者でも簡単に分かる法人税の仕組み!

法人税という言葉は、聞いたことがあっても実際にどのような税金でいつ支払うのかわからない人は多いと思います。しかし、これから起業をしようと思っている人は一番理解しておいてもらいたい税金の一つです。

法人税への理解は、経営を行う上でとても重要なものになります。ここでは、これから起業をしようと思っている人にも法人税のことが理解できるように紹介していきます。

法人税は税理士に任せきりではダメ?

法人税について、理解していない人も実は多いと思います。法人税は税理士の方に全て任せることで、経営者は理解していなくても納税することが可能になっています。なので、法人税について知らない経営者の方も多いです。

しかし、税金関係のことを一括で依頼するための資金がない人は、自分で法人税を含めた税処理を自分で行う必要があります。ここでは、税金に関する知識があまりない人でも法人税のことを理解できるように、法人税について紹介していきます。法人税は会社を経営する上で重要な税金になります。法人税を納めていないと最悪の場合は追徴課税などで会社の資金がショートしてしまう可能性もありますのでしっかり理解しましょう。

法人税の種類を簡単に紹介

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法人税と一口に言っても、法人税の中にはさまざまな税金があります。一般的にいう法人税とは、法人が払うことになっている税金のことを指すものになっています。しかし、法人税には納める場所やなんのために納めているのかによって法人税の中でも細かく分かれています。

税金について知識がないと法人税の種類について理解できないこともあります。また、法人を経営していく中では法人税とは切ってもきれない関係になっています。ここでは、法人が払うことになる法人税の種類について紹介していきます。

法人税

法人税は、事業を行うことで得ることができた利益に対してかかる税金のことになります。法人税の税率は23.2%になっています。事業で得ることができた利益の4分の1が税金になると考えるといいでしょう。法人税は地方ではなく、国に納める税金になります。また、法人税は日本に本籍を置いている会社を経営している場合は、日本に収める必要があります。

法人住民税

法人住民税は、個人で支払っている住民税の会社版と考えてもらうとよいでしょう。法人住民税は法人が登記されている市区町村に納める税金になります。

また、法人住民税は資本金によって納めなくてはいけない金額が大きく変わります。法人住民税は利益がなくても支払わなくてはいけない税金になっています。現在は法人住民税の最低金額は7万円です。なので、利益がなく事業が赤字であっても法人住民税は最低でも7万円納めることになります。

法人事業税

法人事業税は、法人が登記されている都道府県に納めなくてはいけない税金になります。法人事業税は各都道府県によって税率が異なっています。また、法人事業税は資本金の金額によっても支払うものが異なります。法人事業税は資本金が一億円を超えるかが問題になっていきます。

資本金が1億円以下の法人は、所得金額を基にした所得割のみが税金として課せられます。しかし、その一方で資本金が1億円を超える法人は所得割のほかに、資本金の額などを基にした外形標準課税も行われています。なので、法人事業税を支払う金額は各企業によって異なります。法人事業税はややこしいことが多いので納付する時には注意をするようにしましょう。

消費税・地方消費税

法人が支払わなくてはいけない税金の中には、消費税があります。また、個人の場合とは異なり、法人の場合は地方消費税と言われるものも支払わなくてはいけません。

消費税や地方消費税は資本もしくは出資金が1,000万円未満の法人の場合は、課税されることになる売上高が1,000万円を超えたら翌々年度から納付をしなければなりません。

資本金もしくは出資金が1,000万円以上である法人の場合は、設立より2事業年度から納税をする必要があります。なので、消費税や地方消費税は資本もしくは出資金が1,000万円未満の法人の場合は、1,000万円の売上高が出るまでは納める必要がないものになっています。また、消費税は後から納めることになるので、あらかじめ消費税納税分の金額を残しておく必要があります。

法人税の計算方法は?

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法人税をどのように計算すればいいのかわからない人も多いと思います。しかし、法人税の計算を自分で行うことは非常に重要になります。法人税は申告納付なので後払いになります。そのため、法人税の金額を事前に考慮に入れたキャッシュフローを行わないと資金が事業の途中でショートする可能性もあります。

資金のショートは会社を経営する上で一番気をつけなくてはいけないことになります。ここでは、法人税の計算方法について初心者や起業して間もない人でもわかるように紹介していきます。

法人税計算のポイント①所得

法人税を計算する上では所得をはっきりさせておく必要があります。所得を求める際の式は以下のようになっています。

「益金-損金」

このように簡単に求めることが可能になっています。しかし、所得を計算する時には「益金」と「損金」を用いる必要があります。この「益金」と「損金」の概念について知らないと所得をも求めることができません。

【法人税の基礎】益金

益金とは、事業を行う中で得ることができた収益のことになります。益金に計上することができるものは決まっています。ここでは益金に計上することができるものについて紹介していきます。

損金に計上することができるものは、基本的に収益にあたるものです。事業を行うなかで商品やサービスを販売した際に受け取ることができる収益は益金に充てることが可能になります。

しかし、株式の配当金や税金の還付金に関しては、益金に充てることができません。益金に充てることができるのは事業を通じて得ることができたものだけになります。

【法人税の基礎】損金

損金は収益にかかるためにかかった費用や経費のことになります。損金も益金と同様に計上することができるものが決まっています。なので、損金についてはしっかり理解しておく必要があります。ここでは、損金について素人の人でもわかるように紹介していきます。

損金に計上することができるものは、原価や販売にかかった人件費などの費用があります。また、損金には事業を行う中で出てしまった損失も計上することが可能になります。

しかし、損金に計上することができないものもあります。損金に計上することができないもので一番影響があるのが役員報酬です。役員報酬は損金に計上することができません。また、そのほかにも寄附金や減価償却のためとは認められないものも、損金には計上することができません。

法人税計算のポイント②税率

法人税の税率は所得の金額によって異なります。所得が800万円まで15%、所得が800万円以上は23.2%になっています。なので、法人税を納める時はこの税率をもとに税金の金額の概算を事前に行いましょう。

法人税の申告方法と納付方法は?

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法人税の金額や種類が分かっても、どのような法人税を納付するのか、どのように法人税の申告を行えばいいのかわからない人も多いと思います。ここでは、法人税の申告方法と納付方法について素人の方でもわかるように紹介していきたいと思います。

法人税の納付に必要な書類

法人税を納付する時には必要な書類があります。しかし、法人税を納める時の書類は一つではなくたくさんの種類の書類が必要になります。ここでは、法人税を申告する際に必要な書類について紹介していきます。

法人税納付に必要な書類①法人税申告表

法人税申告書は、法人税を申告するための書類になっています。この書類を提出することで、法人税の申告を行うことが可能になっています。法人税申告書には申告書だけではなく、そのほかに添付書類を一緒に提出する必要があります。これは、法人税の申告に間違いがないかを税務署で確認するために必要な書類になります。添付書類は以下のものになります。

  • 別表書類
  • 決算報告書
  • 貸借対照表(バランスシート、B/S)
  • 株主資本等変動計算書
  • 科目明細書
  • 事業概況書

法人税納付に必要な書類②消費税申告書

消費税申告書は、課税金額が1,000万円を超えた場合にのみ提出する書類になります。この書類は消費税について申告するもので、自分で作成します。</>

法人税納付に必要な書類③復興特別法人税申告書

復興特別法人税申告書は、復興特別法人税を支払う時に書く申告書になっています。しかし、復興特別法人税に関しては既に廃止されているので廃止時期である平成26年3月以降に設立された法人に関しては、申告の義務がないものになっています。

法人税納付に必要な書類④都道府県税にあたる法人事業税等の申告書

都道府県税にあたる法人事業税等の申告書は、法人税申告書と連携して作られる書類になっています。都道府県税にあたる法人事業税等の申告書は都道府県に納める法人事業税を納めるために必要な書類になります。

法人税納付に必要な書類⑤市町村の法人住民税の申告書

市町村の法人住民税の申告書も、都道府県税にあたる法人事業税等の申告書と同様に法人税申告書に連携してつくられるものになります。市町村の法人住民税の申告書は、市区町村に納めなくてはいけない法人住民税を納税するために必要な書類になります。なので、確実に作成しなくてはいけない書類になります。

法人税の納付方法

法人税の納付方法は現金で納税する方法が一般的です。しかし、最近では電子納税を行うことができることになっています。ここでは、法人税の納付方法である現金納税と電子納税について紹介していきます。

法人税の納付方法①現金納税

現金納税は、法人税の納税方法の中では一番ポピュラーなものになっています。現金納税は法人税申告書などに基づいて税務署が送ってくる納付書に基づいて、法人税を納税するという方法になります。現金納税は納付書に基づいて納税をするのでコンビニや金融機関で納税することが可能になります。

法人税の納付方法②電子納税

電子納税はe-taxを利用している方のみが利用することができる納税方法になります。電子納税はコンビニや金融機関に行かなくても自宅で納税することが可能になります。インターネットバンキングの利用が普及したことによって新たに設立された納税方法になっています。

電子納税を行うためには事前に開始届出書かダイレクト納付利用届出書を提出する必要があります。現在は電子納税の方が利便性などを理由に新設法人では利用率が高くなっています。

素人でもわかる法人税の節約方法

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法人税を節約したいと思っている法人の経営者も多いと思います。法人税は知識があることで節約することが可能になっています。しかし、法人税を節約する方法について知らないことも多いと思います。ここでは、法人を設立して間もない人やこれから法人を設立したいと思っている人に向けて、法人税の節約方法について紹介していきます。

法人税を抑えるコツ①お得に法人税を節税する

法人税は税金なので、もちろん支払った分の法人税に関しては税務署に納めるので自分たちでは使うことができなくなります。しかし、法人税で本来支払わなくてはいけない金額を自分の会社にために使うことができる方法があります。また、自分の会社の整理をすることで、法人税の支払い金額を減らすことも可能になります。ここでは、このようにお得に法人税を節約する方法について紹介していきます。

お得な法人税の節約方法①資産や在庫の処理

資産や在庫が多く残っている場合は、それらの資産や在庫を売却することで、法人税の納付金額を小さくすることが可能になります。不動産の資産や倉庫に余っている在庫は処分することで経費を減らすことができるだけではなく、キャッシュフローを健全化させることも可能になります。

また、資産や在庫は売却で損失が出た場合は損金として計上することが可能になります。損金と計上することで、所得を相対的に減らすことが可能になり、法人税の支払い金額を減らすことが可能になります。

お得な法人税の節約方法②設備投資

資本金が1億円以下の中小企業の場合、会社で新しい設備を購入した場合は、7%の税額控除または30%の特別償却を受けることができます。また、この際に設備として認められるものは自動車や機械などです。なので、資本金が一億円以下の会社では設備投資を行うことで法人税が控除されて最終的にお得になることもあります。資本金が1億円以下の会社の場合はこの制度を積極的に使うようにしましょう、

法人税を抑えるコツ②共済の利用

独立行政法人中小基盤整備機構では、中小企業に向けた共済を出しています。この共済を「中小企業倒産防止共済」と言います。この中小企業倒産防止共済は、中小企業が倒産をしないようにするためにある共済になります。

中小企業倒産防止共済の一番の利点は、年間240万円、累計800万円までは損金として計上することができることです。損金に計上することができることで所得を減らすことが可能になり、法人税の支払い金額を減らすことが可能になります。

法人税を抑えるコツ③保険の利用

法人で保険に加入している場合は、その保険料を損金に計上することが可能になります。なので、所得を減らすことが可能になり法人税の納付額を減らすことができます。また、会社で保険に加入することで、もしもの時に事業を継続するための資金や社員のための福利厚生として使うことが可能になります。法人税の節約だけではなく、そのほかにもメリットがあるということです

法人税を抑えるコツ④節税を行うのに適しているタイミングとは?

法人税を節税するタイミングは様々ですが、法人設立当初から節税について考えながら経営を行っていくといいでしょう。特に、決算前に慌てて節税対策をしようとする法人も多いですが、決算前では節税のタイミングとしては遅すぎます。なので、早いうちから節税について考えておくようにしましょう。また、そのほかにも常に節税について考えていくことで書類の準備など効率的に行うことが可能になります。

法人税で困りごとがあったら税理士に相談を

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法人税は非常に細く設定されているものになります。また、納めなくてはいけない法人税の種類も多くなっています。なので、個人で法人税を納めるための書類の作成や計算などをするのは困難になっています。

また、個人で計算を行って間違いがあった時には、もう一度計算を行わなくてはいけなくなります。計算の間違いの仕方によっては意図的な脱税と捉えられてしまう可能性もあります。そのため、法人税で困ったことがあったときや自分では計算や書類の作成をできないとおもったら税理士の方に依頼するようにしましょう。また、税理士に相談することで法人税の申請にかかる時間を大幅に削減することが可能になります。

まとめ

法人税は法人を設立したら絶対に納付しなくてはいけないものになっています。また、法人税は法人として存続させるためには非常に重要なものになります。

しかし、個人で法人税を納めることは非常に難しいです。法人税を納付するためには多くの書類が必要になります。また、自分で経費などの計算をおこなう必要があります。

自分一人ではなく従業員を雇っている会社の場合は必要になる書類や確認しなくてはいけない項目が莫大になることもあります。

法人税は節約することも可能になっています。特に、法人税は支払い金額が多いので、工夫次第で節約することで法人のキャッシュフローに大きなメリットがあります。

法人税を自分で申告するのは個人の確定申告とは比べものにならない苦労があります。なので、法人税に関しては税理士の方に一任するのがおすすめになっています。税理士の方に頼むことで税法上のミスなどを減らすことが可能になるでしょう。

企業の教科書
記事の監修者 宮崎 慎也
税理士法人 きわみ事務所 代表税理士

税理士法人きわみ事務所の代表税理士。
会社の立ち上げ・経営に強い「ビジネスドクター」として、業種問わず税理士事業を展開。ITベンチャーをV字回復させた実績があり、現場を踏まえた的確なアドバイスが強み。会社経営の問題を洞察したうえで、未来を拓くための手法を提案することをモットーにしている。

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