会社を創立すると言ったり、設立すると言ったりしますよね。
何気なく創立や設立といった表現を使っていますが、二つの言葉にはどんな違いがあるのでしょうか。
違いが分からずに混同して使っていると恥をかくことがあります。
銀行や他の企業に新たに始める事業説明をするときに、言葉の使い方が間違っていると何も分かっていない人と見なされてしまうことがあるのです。
大人のビジネスマンとして起業をしていくために、創立や設立の違いについて知っておきましょう。
創立の言葉の意味を考えよう
創立という言葉にはある組織を初めて作り、事業を始めるという意味があります。この言葉は幅広く使われる特徴があります。
会社を作って事業を始めることだけではなく、大学の同好会やNPO団体を始めるときにも使われます。組織が関係しているため、個人単体での事業に創立という言葉は使われません。
創立と創業って違う意味なのか
創立と創業という言葉は似ていますが、同じ意味なのでしょうか。創業と言う言葉には事業を始めることが関係しています。
お金を稼ぐことが目的の営利目的の活動に使われます。ボランティア団体は営利目的ではないため、創業という言葉を使うことはありません。個人であっても何らかの事業を始めたら創業という言葉を使えます。
創立は組織のため個人には使えませんでしたが、創業は使えることを覚えておいてください。新しい会社を始めるために色々な準備を行う段階から創業と言えます。
財産引き受けをすることや、事務所のために不動産を得たりする準備がスタートした時点から創業と見なせるのです。そのため法人として登記手続きをする前から創業開始と見なせます。個人であっても営利目的での事業を始めたら創業したと言えます。
創立と創設の違い
創立と創設には、どのような違いがあるのかも考えておきましょう。最初に説明した創立という言葉には、初めての事業を組織として始める意味合いがあります。
ですから子会社を作るときや、すでに存在している会社の中で新しい事業を始めるときに創立を使うことは出来ません。しかし、創設という言葉を使うことは出来ます。
なぜなら創設は、その時点には存在していなかった組織が作られることを表すからです。今までなかった組織や制度が出来るときに創設という言葉が使われます。
既存の会社が新しい施設を作ったり、新たな事業を開始したりするときに創設という言葉が使われます。
設立の言葉の意味をチェック
続いて、設立の言葉についても説明していきます。
設立とは、新しい企業が定款を作って、登記申請をしたことを表します。既存の企業が新しい事業のために会社を作り、登記をしたときにも設立という言葉を使うことが出来ます。
何らかの組織が新しい会社を作り、法的手続きを進め登記申請をするときに設立という言葉が使われます。個人が、個人事業主として起業するときに設立は使いません。
創立した年と設立した年って違ってくるの?
会社を創立した年と、設立した年は違ってくることがあるのでしょうか。もし新たな事業を始めたなら、その年が創立年となります。
事業が軌道に載ったので株式会社にして登記申請をしたなら、その年が設立年になってきます。創立は登記をするかしないかが関係しないため、創立年の方が設立年より早くなるケースはよくあります。
逆に設立した年が先に来て、後に創立年が来るといったことはありません。登記を最初にしておいて、新たな事業を後から始めると言うことはあり得ないからです。しかし、登記をした年と事業をスタートさせた年が同じなら、創立年と設立年は同じになります。
混同されやすい他の表現について知っておこう
創立や設立以外にも混同されやすい表現があります。例えば、どんな表現があると思われますか。
- 起業
- 独立
- 開業
起業
起業というのは創業と似たような意味で使われます。一般的に起業はこれまで存在しなかった種類のサービスや事業が始まるときに使われています。
創業は既存の業態の新たな事業を展開するときに使われることがあります。また、過去の企業の歴史を振り返ったときに創業はよく用いられる表現です。起業は将来の予定などを表現したいときに使うことが出来ます。
独立
独立は、のれん分けの意味合いが強い言葉です。ラーメン屋や寿司屋などで修行を積み、自分の店を持つようになったときなどに使われます。飲食業だけではなく、デザイナーや建築家などの専門職でもよく聞かれる言葉です。師匠からお弟子さんが独立するといった感覚です。
個人のスキルと経験が元の勤め先から認められて、同じ事業を別会社として行っていく意味合いがあります。
開業
開業という表現は、個人事業主によく使われます。
企業や組織が新たな事業を始める際に使われることはほとんどありません。医者が自分の診療所を開くときや、サラリーマンが会社を辞めて自分の事業を始めるときに使われる表現です。
これまで個人が培ってきた技術や、事業のノウハウを活かすときに開業という言葉が用いられます。
どうして創立や設立などの言葉の違いを知っておくべきなのか
どうしてこれらの言葉の違いを知っておくべきなのでしょうか。
大人のビジネスマンとして恥をかかないようにするだけではなく、自分の会社の信用度やポテンシャルを示すのに必要となってくるからです。
企業を銀行や取引先が評価するときの一つの指標として、設立からどれくらいの時間が経っているかというポイントがあります。会社が設立から1年しか経っていないなら倒産する確率が高いと見なされます。
しかし、設立からもう10年経っているとなると、倒産する確率の低い信頼できる企業だと評価される傾向があります。現に設立から1年の会社が倒産する確率は50パーセントを超えると言われているに対し、設立から10年の会社は数パーセントの確率にしかなりません。
それだけ設立から年数が経っているなら、倒産しにくい会社だと見てもらえると言うことです。
創立と設立の言葉の違いを理解しているなら、できるだけ設立を早くしようと思うかも知れません。登記申請までに創立してから時間が経ちすぎていると、せっかく事業は始まっているのに設立年数が少なくなってしまいます。企業の信頼度を高くしていくためには、設立年のことを知っておかなくてはなりません。
会社創立や設立の初心者が活用すべきサービスとは?
会社を初めて設立するときに、どんなサービスが役立つか説明します。事業をスタートさせた経験が無いと、どのような手順を踏んでいったら良いかが分からないものです。書類の準備や事務手続きで失敗してしまうリスクもあります。
最近注目されているのは、新たな事業の創立や設立をサポートしてくれるクラウドサービスです。行政書士などに依頼すると高額の費用がかかりますが、クラウドサービスならコストを抑えられます。
サービスによっては無料で利用できるものもあります。起業の際に役立つ人気のクラウドサービスの特徴とは何でしょうか。
スピーディ
起業に関係する手続きで分からないことがあるとチャットで質問することが出来、24時間以内に返答してくれるサービスが人気です。分からないことがスピーディに解決できます。サービスによっては、質問してから1時間で返答が返ってくることもあります。
低コスト
毎月3000円前後の低コストで利用できるサービスが人気です。これだけの少ないコストで司法書士や行政書士からのサポートを受けられます。個人で行政書士と契約するとかなりの費用がかかりますが、クラウドサービスならその心配がいりません。
簡単
事務手続きや書類作成は、フォーマットに情報を入れていけば完了するので簡単です。
後から手続きの履歴を参照できるので、別の起業をしたいときに簡単に情報を参照できます。創立や設立のサポートが必要なときには試してみたいクラウドサービスです。
外国人が会社を設立する場合の手順を徹底解説
最近は外国人が日本で会社を設立するケースが増えてきました。どんな手順で会社を設立させられるのか解説していきましょう。
- 事業計画書作成
- 設立
- 事業の許認可取得
- 経営管理ビザ
- 資金調達
- 経営管理ビザの更新
その後に定款を認証し、資本金の振り込みや登記申請をします。この段階で会社設立となります。行政から事業認可の取得が必要なら申請してください。
これらの手続きの後、経営管理ビザを取得していきます。経営管理ビザを取るためには、設立をした外国人本人が500万円以上の出資金を用意しなければなりません。自分の独立した事業所を持っている条件もあります。特殊な事業でなければ、申請から2ヶ月前後でビザを取得できます。
さらに資金が必要な場合には資金調達を行っていきましょう。会社を設立し、経営管理ビザを持っているなら補助金や助成金を申請していけます。
宣伝効果もかねてクラウドファンディングを活用することも出来るかもしれません。経営管理ビザは期限付きなので更新することも忘れないでください。
まとめ
会社を創立することと設立することには違いがあります。創立は初めて組織を作ったり、事業を始めたりするときに使える言葉です。事業だけではなく、営利目的ではないボランティアなどの組織立ち上げにも使えます。
一方設立は、企業が登記申請をしたことを表します。営利目的の事業で、法的に会社法人を作るときに使われる言葉です。個人が企業をするときに設立という言葉は使われないので注意してください。創立や設立以外にも似たような表現があるので気をつけましょう。
それぞれの言葉の意味を知っておくと、自分の会社について正確に第三者に説明できます。
初めて会社創立・設立したりするときには、手続きをサポートしてくれるクラウドサービスを利用することが出来るかもしれません。