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会社設立時の税理士の選び方とは?各士業のメリットとポイントも解説!

会社設立時の税理士の選び方とは?各士業のメリットとポイントも解説!

これから会社設立を考えている方のなかには、なんとなく「税理士を探さなきゃ」と思っている方もいるでしょう。しかし適当に税理士を選んでしまうと、後々困ったことになるかもしれません。

本記事では、そもそも会社設立を税理士に依頼する場合と、他の士業に依頼する場合とでは何が違うのか、それぞれのメリットや特徴をご説明。また、会社設立をする上での税理士の選び方のポイントをご紹介します。

これから会社設立を考えている方、税理士選びに困っている方は是非参考にしてみてください。

会社設立の手助けになる士業

“税理士”“司法書士”などの名前を聞いたことはあっても、誰に何を依頼すれば良いのか分からない……という方は多いのではないでしょうか?実は、それぞれ得意とする分野やできることが全く異なるので、しっかり理解しておかないと申告漏れなどの失敗を招いてしまうことも。

ここでは、3つの士業のメリットや特徴をご紹介します。

会社設立の士業1.税理士の特徴とメリット

税理士とは、納税書類の作成や申告の代理、税務相談などを行う「税金」についてのプロ。会社設立に際しての提出の代行や届出書の作成は、税理士のみ認められています。

他2つの士業に比べると報酬相場が安いのが特徴で、おおよそ3〜5万円。

会社設立後の確定申告の書類作成から提出まで行ってくれるので、決算時にはとても重宝するでしょう。また、税金は知識がないと取られるばかり。税理士は節税対策などの相談にものってくれるので、会社設立時に見つけておくのがおすすめです。

企業の代理人として税務業務を請け負ってくれる士業、と考えると良いでしょう。

会社設立の士業2.司法書士の特徴とメリット

司法書士は、裁判所や検察庁、法務局などに提出する書類を作成・提出できます。会社設立時に必ず行う「法人登記手続き」の代理申請を行うことができるのは、司法書士のみです。

専門的な知識を必要とするので、報酬相場は10〜20万円。これより安い価格で請け負っている業者もありますが、司法書士ではない場合があるので注意が必要です。司法書士ではない人による代理申請は違法行為なので、必ず業者が司法書士なのかどうかを確かめてから依頼してください。

会社設立時の登記手続きは、色々な書類を用意・作成しなければならないので面倒に思うことも。司法書士に依頼すれば、登記手続きの一切を任せられます。

会社設立の士業3.行政書士の特徴とメリット

行政書士は、その名の通り行政に提出する書類の作成ができる士業。また、権利義務や事実証明などの書類を作成・提出することもできるので、建設業や飲食業で必要になる許認可手続きの代行ができます。

報酬相場は約10万円。一見高いと思いがちですが、許認可がスムーズに得られないと開業がずれ込んでしまう…などのデメリットを避けられるのは大きなポイントです。許認可が必要になる会社を設立する場合は、行政書士に依頼しておくと良いでしょう。

会社設立で士業を選ぶ際は、なにをしてもらいたいのかを明確にする!

3つの士業は、それぞれ「税金」「登記手続き」「許認可申請」と得意分野がはっきり分かれています。それはつまり、得意分野以外の分野は知識がなかったり、そもそもできないということ。1つの士業に依頼すれば、会社設立に関する手続きや相談は全て解消できる!というわけではありません。

会社設立をする際は「プロに何を依頼したいのか」を明確にしておくと、どの士業に依頼すべきかが分かります。3つの士業全てに依頼するのももちろんOKですし、自分で出来るもの以外を依頼する、という形でも構いません。かかる労力とコストを考えて依頼しましょう。

会社設立で税理士を選ぶポイント

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実際に税理士に依頼するとなったときに、数多くいる税理士の中からどのように税理士を選べば良いのか迷ってしまいますよね。特に税理士の場合、会社設立のときだけではなく、決算や確定申告などで会社設立以降も依頼することが多いので、最初の税理士選びが肝心です。

ここでは重要視したい4つのポイントをご紹介するので、参考にしてみてください。

会社設立で税理士を選ぶポイント1.節税方法などを教えてくれるかどうか

上述したように、節税は知識がないとできません。税理士には知識がありますが、積極的に教えてくれる税理士とそうでない税理士がいるので、役員報酬や退職金などの支払いで節税ができる、などを積極的に教えてくれる税理士を選びましょう。

あくまで税理士の仕事の本分は「適切な納税」を支援すること。節税に関しては手続きが増えるので、税理士からするとサービス残業と同じです。そんな節税対策に積極的な税理士は、依頼者の立場に寄り添って考えてくれる税理士と考えて良いでしょう。

会社設立で税理士を選ぶポイント2.決算をしっかりおこなってくれるかどうか

決算書は、1年会社がどのような経営をしたかが一目で分かる書類。その書類を作成できるのが税理士の大きな特徴ですが、中には打ち合わせなどをせずに決算書を作成してしまう税理士もいます。

決算書は財務状況や経営実績が把握できるので、株主などの利害関係者から信頼を得るためにはとても重要。適当に作成されてしまうと、信頼を失いかねません。

節税対策や納税資金の準備など、ある程度の準備が必要なので「何回打ち合わせをして、いつ決算書が出来上がるのか」を確認しておきましょう。

会社設立で税理士を選ぶポイント3.資金調達や経営のアドバイスができるかどうか

税理士の本分とは少し離れてしまいますが、資金調達や役員報酬のシミュレーション、経営に関するアドバイスができるかどうかも大きなポイント。これらは税理士の経験に基づく部分も大きくなるので、その税理士が経験豊富であるかどうかを見極めることができるんです。

経営に関するアドバイスや役員報酬の割合などが適切に行うことができれば、会社は長続きする可能性が高まります。まずは「自分の会社ならどの程度資金を調達できるか?」という質問を投げかけてみましょう。

会社設立で税理士を選ぶポイント4.レスポンスが早いかどうか

細かいことですが、レスポンスが早いことはとても重要です。回答を待っている間に自分で調べて解決してしまった、なんてことがあると税理士に依頼する意味がありません。

また、基本的な対応は事務員が行っているところもあります。コミュニケーション不足による不要なトラブルは避けたいもの。コミュニケーションがスムーズに取れて、信頼関係が築けるかどうかチェックしてみてください。

会社設立なら税理士に相談を!

会社の設立には、様々な書類作成・提出が必要になります。全て自分で行うこともできますが、その労力を考えるとプロに依頼して「早くて・安全で・確実な」手続きを行うのが得策です。

それらの手続きを円滑に進めるためにも、税理士選びは重要。記事内でご紹介した4つのポイント以外にも、自分が税理士に何を求めているかを考えて選ぶと良いでしょう。

税理士は会社を設立してから一貫して同じ税理士であれば、お互いの認識がずれることがほぼないので、依頼もスムーズ。長く信頼関係を築ける税理士を選んで、健全な会社経営を行いましょう。

企業の教科書
記事の監修者 宮崎 慎也
税理士法人 きわみ事務所 代表税理士

税理士法人きわみ事務所の代表税理士。
会社の立ち上げ・経営に強い「ビジネスドクター」として、業種問わず税理士事業を展開。ITベンチャーをV字回復させた実績があり、現場を踏まえた的確なアドバイスが強み。会社経営の問題を洞察したうえで、未来を拓くための手法を提案することをモットーにしている。

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