資金調達

マル経融資とはどのようなものか?よくある質問や注意スべき点、審査のポイントを解説

マル経融資とはどのようなものか?よくある質問や注意スべき点、審査のポイントを解説

「マル経融資というものを聞いたことがあるけど、どういうものなんだろう?」

「マル経融資を利用したいと思っているけど、注意すべき点はないかな?」

本記事では、このように考えている人に向けて、以下のポイントなどを解説します。

  • マル経融資の概要
  • 新型コロナウイルスマル経融資と通常のマル経融資の違い
  • 特別利子補給制度とは
  • 商工会議所や商工会とは
  • 商工会議所などから推薦を受けるには
  • マル経融資のメリット・注意点
  • マル経融資の申込方法・手続きの流れ
  • マル経融資の審査に通るコツ・ポイント

よくある質問や細かい点についても解説しているため、ぜひマル経融資など日本政策金融公庫からの資金調達の際に参考にしてください。

  1. マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資制度)を理解しよう
    1. 新型コロナウイルス対策マル経融資とは
    2. 特別利子補給制度とは
    3. 特別利率Fとは
    4. 商工会や商工会議所とは
    5. 商工会議所等の推薦を受けるためには
    6. 商工会議所等が実施する経営指導とは具体的にどのようなものなのか
  2. マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)のメリットと注意点
    1. 【マル経融資のメリット1】低金利のため、返済負担が抑えられる
    2. 【マル経融資のメリット2】商工会議所などからの経営サポートが得られる
    3. 【マル経融資のメリット3】担保や保証人が不要
    4. 【マル経融資の注意点1】創業時には利用できない
    5. 【マル経融資の注意点2】申込みから融資実行までの期間が長い
    6. 【マル経融資の注意点3】商工会議所と日本政策金融公庫の2段階審査がある
    7. 【マル経融資の注意点4】地域によっては商工会などに加入しなければ経営指導を受けられない
    8. 【マル経融資の注意点5】日本政策金融公庫への相談なしに返済が滞った場合は大変
    9. 【マル経融資の注意点6】すべての業種に対応しているわけではない
    10. 【マル経融資の注意点7】消費者金融から借入れがある・していた場合は厳しい
  3. マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)の申込方法・手続きの流れ
    1. 【マル経融資の申込みステップ1】商工会議所や商工会へ経営相談に行く
    2. 【マル経融資の申込みステップ2】商工会議所などから原則6ヶ月間以上の経営指導を受ける
    3. 【マル経融資の申込みステップ3】必要書類を準備し商工会議所などから日本政策金融公庫への推薦を受ける
    4. 【マル経融資の申込みステップ4】日本政策金融公庫が審査
    5. 【マル経融資の申込みステップ5】融資契約・実行
  4. マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)の審査に通るコツ・ポイント
    1. 【マル経融資審査のポイント1】決算書など提出書類を確実に仕上げておくこと
    2. 【マル経融資審査のポイント2】経営指導の段階から経営指導員などに意欲を見せる
    3. 【マル経融資審査のポイント3】合理的に融資の必要性を説明する
  5. マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)のまとめ

マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資制度)を理解しよう

実は、「マル経融資」という名前は通称であり、正式名称は「小規模事業者経営改善資金融資」と呼びます。

まずはマル経融資の制度概要をおさえておきましょう。

小規模事業者経営改善資金融資(通称:マル経)は、商工会 議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導員による経営 指導を受けた小規模事業者に対して、日本政策金融公庫等が無 担保・無保証人で融資を行う制度。

引用元:新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ|経済産業省

マル経融資は、他の融資制度と大きく異る点があります。それは、「商工会議所などの経営指導」がある点です。本融資を受けるためには、必ずこの「経営指導」によって商工会議所などから日本政策金融公庫に対して推薦をしてもらわなければなりません。

また、現時点(2020年7月)でマル経融資は以下の3制度があります。これらは、通常のマル経融資をベースとして、災害が合った場合には別枠で融資枠を設ける、金利を低く設定しているなどの措置が設けられています。

  • 新型コロナウイルス対策マル経融資(マル経融資の特例)
  • 災害型のマル経融資
  • 通常のマル経融資
制度名 新型コロナウイルス対策マル経融資 災害型のマル経融資 通常のマル経融資
実施機関 日本政策金融公庫 日本政策金融公庫 日本政策金融公庫
要件 ・商工会議所などの長からの推薦
・新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方
・各災害の被害証明書等を受けていること
・商工会議所等が策定する小規模事業者再建支援方針に沿って事業を行う商工業者
・商工会議所などの長からの推薦
融資限度額 通常の融資額+別枠1,000万円 通常の融資額+別枠1,000万円 2,000万円
利率 【当初3年間】 特別利率F - 0.9%(別枠の1,000万円以内)
【4年目以降】 特別利率F
※一部対象者は特別利子補給制度の適用が可能な場合あり
直接被害を受けられた方
【当初3年間】特別利率F-0.9%(別枠の1,000万円以内)
【4年目以降】特別利率F
間接被害を受けられた方
【当初3年間】特別利率F-0.5%(別枠の1,000万円以内)
【4年目以降】特別利率F
特別利率F
据置期間 運転資金:3年以内
設備資金:4年以内
運転資金:1年以内
設備資金:2年以内
運転資金:1年以内
設備資金:2年以内
返済期間 運転資金:10年以内
設備資金:7年以内
日本政策金融公庫ホームページに記載なし 運転資金:10年以内
設備資金:7年以内
担保 不要 不要 不要
保証人 不要 不要 不要
資金用途 運転資金、設備資金 運転資金、設備資金 運転資金、設備資金

以降では、特に注目されている「新型コロナウイルス対策マル経融資」の概要と、これに関連してよくある質問4つを解説します。

新型コロナウイルス対策マル経融資とは

新型コロナウイルス対策マル経融資は、通常のマル経融資に対して、金利、融資限度額、返済期間、据置期間が事業者側にとって優遇されています。特に据置期間は災害型のマル経融資よりもさらに優遇されています。さらに後述する特別利子補給制度を活用すれば、当初3年間、一定の限度額内の利子分が後日補給されます。

通常のマル経融資との違いをまとめると以下のようになります。

  • 融資限度額が別枠で1,000万円
  • 据置期間が長くなった
  • 新型コロナウイルス感染症の影響を受けていることの要件が追加
  • 当初3年間の金利が-0.9%(対象者は特別利子補給制度により実質無利子化も可能)

特別利子補給制度とは

マル経融資とはどのようなものか?よくある質問や注意スべき点、審査のポイントを解説の画像1

画像引用元:「新型コロナウイルス感染症特別貸付」と「特別利子補給制度」の併用による実質的な無利子化融資のご案内|日本政策金融公庫

「実質無利子化」と叫ばれている特別利子補給制度ですが、実質無利子化という言葉が行き過ぎると誤解の種にもなります。なぜなら、特別利子補給制度は「当初3年間、対象となる貸付・融資制度の借入残高の合計4,000万円以下の部分に対して適用される」制度だからです。

つまり、「対象となる貸付・融資制度の借入残高が4,000万円を超えていれば、マル経融資分の利子が後日補給されない場合もある」ということです。さらに、返済期間が5年の場合は当初3年間のみ後日利子補給がされますが、その後2年間は特別利率Fの利子と元本を合わせて返済します。

また、マル経融資の要件と特別利子補給制度の要件は異なります。特別利子補給制度の要件は見出し下の画像2のとおりです。例えば、マル経融資の要件は「最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方」とありますが、特別利子補給制度の要件は小規模事業者の法人で15%以上、中小企業者であれば20%以上の減少が要件です。

このように、特別利子補給制度は利用するうえで注意点があります。事前に把握して活用を検討しましょう。

特別利率Fとは

マル経融資には、特別利率Fが適用されています。新型コロナウイルス対策マル経融資においても、当初3年間は「特別利率F-0.9%」の金利ですが、4年目以降は「特別利率F」が適用されます。

そこで気になる点が、「特別利率Fとは具体的に何%の金利なのか」です。結論から言うと、特別利率Fは執筆時点(2020年7月)で「年利1.21%」です。これが高いのか低いのかについては以下のリンクを参考に判断してください。

参考:国民生活事業(主要利率一覧表)|日本政策金融公庫

商工会や商工会議所とは

マル経融資を利用するにおいては、商工会議所、商工会などが実施する経営指導を受けなければなりません。そこで、これらの違いは何でしょうか。

結論として、商工会は主に町村部に設立された経済産業省 中小企業庁が管轄する公的機関ですが、商工会議所は主に市に設立された経済産業省 経済産業政策局が管轄する公的機関です。商工会は経営改善普及事業をメインとしており、商工会議所は国際的な活動を含めて幅広い事業を実施している点が異なります。

マル経融資とはどのようなものか?よくある質問や注意スべき点、審査のポイントを解説の画像3

画像引用元:商工会と会議所の比較|全国商工会連合会

商工会議所等の推薦を受けるためには

マル経融資を受けるためには、商工会議所等から融資の実施機関である日本政策金融公庫への推薦を受けなければなりません。

推薦を受けるためには「経営状態が良く、返済可能であること」が欠かせません。これをアピールするためなどの具体的なポイント・コツについては「マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)の審査に通るコツ・ポイント」で後述するため、ぜひ参考にしてください。

商工会議所等が実施する経営指導とは具体的にどのようなものなのか

経営指導と聞くと高圧的なイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、実態はそうではありません。

具体的には、「経営指導員」「補助員」と呼ばれる人が経営相談に応じてくれたり、2ヶ月に1回程度会社を訪問して事業について話したりします。しかし、地域によって異なる場合もあるため、詳細が気になる方は地区を担当する商工会議所等にお問い合わせください。

マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)のメリットと注意点

これまでマル経融資の概要やよくある質問について解説してきました。ここでは、マル経融資のメリットと注意点を紹介していきます。

マル経融資のメリットと注意点は以下のとおりです。順に解説します。

  • 【マル経融資のメリット1】低金利のため、返済負担が抑えられる
  • 【マル経融資のメリット2】商工会議所などからの経営サポートが得られる
  • 【マル経融資のメリット3】担保や保証人が不要
  • 【マル経融資の注意点1】創業時には利用できない
  • 【マル経融資の注意点2】申込みから融資実行までの期間が長い
  • 【マル経融資の注意点3】商工会議所と日本政策金融公庫の2段階審査がある
  • 【マル経融資の注意点4】地域によっては商工会などに加入しなければ経営指導を受けられない
  • 【マル経融資の注意点5】日本政策金融公庫への相談なしに返済が滞った場合は大変
  • 【マル経融資の注意点6】すべての業種に対応しているわけではない
  • 【マル経融資の注意点7】消費者金融から借入れがある・していた場合は厳しい

【マル経融資のメリット1】低金利のため、返済負担が抑えられる

マル経融資は、現時点で1.21%と、通常の融資制度と比較して低金利です。そのため返済負担「元本+利子」が抑えられます。

【マル経融資のメリット2】商工会議所などからの経営サポートが得られる

商工会や商工会議所などで「経営相談員」「補助員」と呼ばれる人は、基本的にこれまで数多くの経営相談を受け、アドバイスをしてきた「経営のプロ」です。

厳密には「マル経融資を受けたから経営サポートが得られる」わけではありませんが、ぜひこの機に活用を検討しましょう。

【マル経融資のメリット3】担保や保証人が不要

マル経融資では、担保と保証人が不要です。これは、商工会議所等の推薦があるため成り立つと考えて良いでしょう。

推薦を受けるためには原則6ヶ月以上の経営指導を受けることが必要です。6ヶ月間の経営状況を見て推薦されるかどうかを商工会議所等で審査するため、日本政策金融公庫としては融資がしやすくなっています。

【マル経融資の注意点1】創業時には利用できない

マル経融資とはどのようなものか?よくある質問や注意スべき点、審査のポイントを解説の画像4

マル経融資は、創業時には利用できません。なぜなら、要件に「最近1年以上、商工会議所等地区内で事業を行っている方」とあるためです。

その他、詳細要件は以下画像で確認ください。

マル経融資とはどのようなものか?よくある質問や注意スべき点、審査のポイントを解説の画像5

画像引用元:マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資制度)の概要|日本商工会議所

【マル経融資の注意点2】申込みから融資実行までの期間が長い

マル経融資は、申込みから融資実行までの期間が長くなってしまいます。例えば、マル経融資を利用したいと考えている事業者で、経営指導を受けていなければ、それから原則として6ヶ月間の経営指導を受け、推薦をもらわなければなりません。

さらに、申込みからも約2ヶ月程度かかると言われているため、合わせて「8ヶ月間」ほどを見積もっておくと良いでしょう。

【マル経融資の注意点3】商工会議所と日本政策金融公庫の2段階審査がある

マル経融資を受けようとする場合、商工会議所等と日本政策金融公庫の2つの機関の審査に通らなければなりません。

なぜなら、商工会議所等の推薦が必要であり、その推薦には商工会議所等の審査を要するためです。推薦さえあれば日本政策金融公庫の審査も通りやすいですが、確実に通るとは言えないため注意が必要です。

【マル経融資の注意点4】地域によっては商工会などに加入しなければ経営指導を受けられない

経営指導が必須であることは何度もお伝えしていますが、地域によっては商工会などに加入しなければ経営指導を受けられない場合もあります。

商工会などに加入する場合、年会費などが必要になります。そのため、マル経融資を検討している事業者は事前に確認しておくと良いでしょう。

【マル経融資の注意点5】日本政策金融公庫への相談なしに返済が滞った場合は大変

返済が滞った場合、信用保証協会の保証付であれば代位返済の形となり、日本政策金融公庫ではなく信用保証協会に返済を続けていくことになります。保証付融資でない場合、日本政策金融公庫から確認電話が来た後、返済の約束を新しく結びます。

その後、その約束も破ってしまった場合は郵送などによる督促が来てしまい、それに応じなかった場合は債権が別の機関に移り、取り立てを行われることになります。

それでもなお返済が約束通りに行かなかった場合は、差し押さえや訴訟なども行われ、大変なことになります。場合によっては自己破産などをしなければならない場合もあります。

このような状態に陥ってしまわないためにも、まずはできる限り早いタイミングで追加融資や借り換え、リスケジュールなどの相談をするようにしましょう。

【マル経融資の注意点6】すべての業種に対応しているわけではない

マル経融資に限りませんが、「日本政策金融公庫非対象業種一覧表」に掲げられている業種は対応していません。具体的には次のような業種を言います。

  • 金融業・保険業
  • 洗濯・理容・美容・ソープランド業
  • 競馬、パチンコ業
  • 郵便業
  • その他

詳しい内容については、以下の参考リンクを参考にしたうえで、最寄りの日本政策金融公庫窓口にお問い合わせください。

参考:日本政策金融公庫非対象業種|岐阜商工会議所

【マル経融資の注意点7】消費者金融から借入れがある・していた場合は厳しい

消費者金融から借入れがある場合や、過去にしていた場合には審査に通ることは厳しいと考えていたほうが良さそうです。

原則、事業融資においては事業経営を考慮して融資審査が行われますが、個人事業主の場合は事業主の、法人の場合は代表者の「個人信用情報」を見られる場合が多いようです。

この点については、個人情報保護の観点から、申込書類に信用情報などの開示請求に関する同意部分があります。気になる人は留意しておきましょう。

マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)の申込方法・手続きの流れ

ここでは、マル経融資の申込方法・手続きの流れを解説します。手続きの流れは以下のとおりです。順に解説します。

  1. 商工会議所や商工会へ経営相談に行く
  2. 商工会議所などから原則6ヶ月間以上の経営指導を受ける
  3. 必要書類を準備し商工会議所などから日本政策金融公庫への推薦を受ける
  4. 日本政策金融公庫が審査
  5. 融資契約・実行

【マル経融資の申込みステップ1】商工会議所や商工会へ経営相談に行く

まずは、商工会議所や商工会へ経営相談に行きましょう。なお、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえ、事前に電話連絡を行うことを推奨します。

【マル経融資の申込みステップ2】商工会議所などから原則6ヶ月間以上の経営指導を受ける

経営相談後、原則6ヶ月以上の経営指導を受けます。早い場合で4ヶ月の例もあるようですが、6ヶ月以上かかることを見込んでおきましょう。

【マル経融資の申込みステップ3】必要書類を準備し商工会議所などから日本政策金融公庫への推薦を受ける

6ヶ月以上の経営指導を受けたら、必要書類を準備し、商工会議所などにマル経融資の申込みを行います。なお、詳細は地域を担当する商工会議所などで確認ください。

 

【マル経融資の申込みステップ4】日本政策金融公庫が審査

無事に商工会議所などでの審査が通れば、日本政策金融公庫で融資審査が行われます。商工会議所での審査が通り推薦されたからと言って、絶対に日本政策金融公庫の審査に通るわけではありません。

【マル経融資の申込みステップ5】融資契約・実行

日本政策金融公庫から融資可能の判断が下ると、融資限度額、返済期間、据置期間など詳細を詰めた融資契約を行います。これにより、日本政策金融公庫から融資が実行されます。

マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)の審査に通るコツ・ポイント

マル経融資とはどのようなものか?よくある質問や注意スべき点、審査のポイントを解説の画像6

最後に、マル経融資の審査に通るコツ・ポイントを紹介します。それは以下のとおりです。順に解説します。

  • 決算書など提出書類を確実に仕上げておくこと
  • 経営指導の段階から経営指導員などに意欲を見せる
  • 合理的に融資の必要性を説明する

【マル経融資審査のポイント1】決算書など提出書類を確実に仕上げておくこと

最も重要なポイントが、決算書をしっかり仕上げておくことです。何より、事業の経営状況を最も客観的に事実で捉えられるものが決算書であると言えるからです。

具体的には、自己資本比率を上げておく、不要な固定費を削減しておくなどが挙げられます。経営指導は原則6ヶ月で、時期によっては決算書を十分に準備できるものではないかもしれません。その場合は、試算表や総勘定元帳などの提出が求められる場合があります。

場合によっては、事業計画書を準備しておいても良いでしょう。

【マル経融資審査のポイント2】経営指導の段階から経営指導員などに意欲を見せる

経営指導の段階から、経営指導員などに意欲を見せることも1つの戦略です。例えば、形式的な相談ではなく、事業経営をもっと良くするためには具体的にどのようなことを行うべきなのか、それに関してどのような動きを取れば良いのか、過去に似たような例はなかったかなど、前向きで具体的な相談を行いましょう。

【マル経融資審査のポイント3】合理的に融資の必要性を説明する

融資の必要性が認められない場合、日本政策金融公庫などの金融機関から融資は受けられません。

具体的には、事業拡大の見込みがある場合に融資を受けるようしましょう。その点を考えると、事業計画書を作成することがおすすめです。

マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)のまとめ

マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)について解説しました。マル経融資は、無担保・無保証融資としては低金利であるなど条件の良い融資制度です。

しかし、マル経融資を受けるためには商工会議所などで経営指導を6ヶ月以上受ける必要があります。この点は経営指導を受けること自体に障壁があるということではありませんが、早期に資金調達を考える事業者にとっては不都合なものです。

また、マル経融資の審査に通るコツ・ポイントも紹介してきました。ぜひ本記事を参考に事業存続・拡大のための資金調達を成功させていただければと思います。

企業の教科書
記事の監修者 宮崎 慎也
税理士法人 きわみ事務所 代表税理士

税理士法人きわみ事務所の代表税理士。
会社の立ち上げ・経営に強い「ビジネスドクター」として、業種問わず税理士事業を展開。ITベンチャーをV字回復させた実績があり、現場を踏まえた的確なアドバイスが強み。会社経営の問題を洞察したうえで、未来を拓くための手法を提案することをモットーにしている。

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