「税理士を変更したいけど、本当に変更すべき?」と、お悩みではありませんか。一度顧問税理士の契約をすると、なかなか変更を申し出にくいものです。
しかし、不満を募らせたままだと、会社経営に大きく損害を与えるかもしれません。
今回は、税理士を変更するきっかけや変更するメリットを解説します。税理士を変更する流れも解説しているので、参考にしてください。
相性の良い優秀な税理士と契約を結び直して、会社の経営を安定させましょう。
税理士を変更したい!残念な税理士の特徴
経営者が「税理士を変更したい」と感じるのには、以下のような5つの理由があります。
- レスポンスが遅い
- 報酬費用が高い
- 節税効果が感じられない
- 税務署の言いなりになっていた
- 融資や経営の相談に乗ってくれない
当てはまる項目があるなら、税理士を変更を検討するべきでしょう。
レスポンスが遅い
レスポンスが遅いと、税理士を変更したいと考える経営者は多いでしょう。
ちょっとした相談でも返事に数日かかったり、知りたいタイミングで解答してもらえなかったりすると、「雇う意味がない」と感じるかもしれません。実際、電話で質問をすると「折り返します」と言って電話を切られることもあるでしょう。
しかし、1日程度のレスポンスの遅さはよくあると言えます。なぜなら、税理士は間違ったことを伝えないよう確認をした上で返事をしている可能性が高いからです。
税の法律はよく変わるため、入念なチェックをした上で正しい知識を伝えるためです。とはいえ、3日以上待たされることが頻繁にあるなら変更を検討しましょう。
ルーズな性格だったり、プロとしての意識が足りなかったりと、税理士自身に問題があると考えられます。
決算間際や税務署から連絡があったタイミングでレスポンスが遅いと、経営者としては不安になります。税金という大切な仕事を任せる相手だからこそ、早くレスポンスを返してくれる税理士に変更しましょう。
報酬費用が高い
報酬費用が高く経営の負担になっているという理由で変更したいと考える経営者は多いです。なかには、報酬費用に見合った業務を請け負ってくれないと感じる方もいます。
税理士を変更する前に、相場とかけ離れていないか確認しましょう。
契約内容 | 相場 |
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顧問契約 |
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記帳代行 | 1万〜3万円程度 ※仕訳量によって変動あり |
確定申告代理 |
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消費税申告代理 |
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明らかに相場より高い費用を請求されているのであれば、税理士の変更をおすすめします。
一方で相場と同じくらいの費用であれば、税理士を変更してもメリットは感じられません。ただし、報酬費用が高いと感じるのであれば、再度契約内容を見直すことも大切です。
不要なサービスにまでお金を払っているかもしれません。業務内容を絞った上で、最適な料金設定をしている税理士に変更しましょう。
節税効果が感じられない
税理士をつけても思ったほど節税効果が感じられないと、変更したいと感じる経営者は多いでしょう。もちろん、経費にできるもの・できないものがあるので、会社がどれほど節税できるかの判断は難しいです。
しかし、顧問税理士に資金繰りの状況を伝えているにもかかわらず、一切アドバイスがないのであれば変更をおすすめします。「控除制度を申し出ないと対応してくれない」といった経験があれば、他にも節税できるポイントがあるかもしれません。
一方で決算直前になって慌ててスポット契約をした場合、節税効果は薄いでしょう。
というのも、日頃から資金繰りを改善したり、控除制度を知った上で経費を使ったりできないからです。さらに節税をしたいと感じるのであれば、顧問契約を交わすことをおすすめします。
顧問税理士を付けているのに節税を実感できないのであれば、税理士を変更した方が良いでしょう。
税務署の言いなりになっていた
税務調査があった場合に、税務署の言いなりになっていると税理士を変更しようと考えるでしょう。というのも、税理士は代理人として経営者の意図を代弁すべき存在だからです。
税理士に言われた通り会計処理したのに、「間違いだったから追加で税金が発生した」となれば、税理士を雇う意義を見出せないでしょう。指導した税理士は、どういった理由で処理を行ったのかをきっちり説明する義務があります。
納得のいく対応をしてくれなかったのであれば、今後も同じような対応が続くかも知れません。税務調査に対して毅然とした態度で接してくれる税理士に変更しましょう。
融資や経営の相談に乗ってくれない
融資や経営の相談に乗ってくれない税理士を変更したいと考える経営者もいるかもしれません。そもそも融資や経営のアドバイスをお願いできる税理士であるか、契約内容を見直してみましょう。
なぜなら、すべての税理士が融資や経営の相談に対して的確なアドバイスをくれるとは限らないからです。融資や経営は税理士の専門外です。
融資や経営についてアドバイスを求めるのであれば、融資・経営を得意にしている税理士に変更しましょう。
新しい税理士を選ぶときに確認すべき4つのポイント
税理士を変更するのであれば、次は長く付き合える税理士を選ばなければなりません。
税理士に対しての悩みを改善できる税理士選びが大切です。長く付き合える税理士を選ぶには、以下の4つのポイントを確認しましょう。
- 依頼したい業務をカバーしている
- 業界知識に詳しい
- 実際に会って相性が良さそう
- 見積もり内容に納得できる
依頼したい業務をカバーしている
依頼したい業務をカバーしている税理士であるか確認しましょう。
税理士であれば税務アドバイスや記帳代理、申告代理を任せられます。
しかし、専門外である資金調達や経営のアドバイスは、すべての税理士ができるわけではありません。資金調達や経営のアドバイスをもらいたいのであれば、対応可能であるかを税理士事務所のサイトで確認しましょう。
また、顧問税理士であっても訪問のない契約を交わす場合があります。
期待しているサポートが受けられないかもしれません。必ず事前に契約内容を確認し、契約を交わしましょう。
業界知識に詳しい
業界知識に詳しい税理士であるかを確認しましょう。
なぜなら、業界によって節税のコツや会計処理の内容が変わるからです。特に近年市場拡大しているITやAIでのサービスは、知識がなければ適切なアドバイスがもらえません。
Web広告やアフィリエイトでの収入の会計処理も、税理士によって見解が変わります。税理士と会って話したときに、自社のサービス内容を理解してくれているかを確認しましょう。
また、同じ業種の会社の顧問をしていれば理解度は高いといえます。自社の業界に詳しい税理士を選ぶことで、最適なアドバイスがもらえます。
実際に会って相性が良さそう
実際に税理士と会って相性が良いか確かめましょう。なぜなら、税理士に任せる内容は会社において重要な業務です。
資金繰りや財務状況といった内部情報を見せることになるため、ビジネスパートナーとして信頼できる人柄でなければなりません。直接会ったときに「この人なら信頼できそう」「誠実な人だな」という印象を持てたなら、相性は良いといえます。言いにくいことも積極的に質問できる関係になれるでしょう。
一方で「ルーズな人だ」「知ったかぶりで答えている」と感じるなら、契約は控えるべきです。長く付き合える相手ではないと判断しましょう。
見積もり内容に納得できる
納得できる見積もり内容であることを確認しましょう。なぜなら、契約を結んだ後に業務や訪問ごとにオプション費用を請求されることもあるからです。
安いと感じた顧問契約料のはずでも、「追加料金を払うと前の税理士より高くついた」ということもあり得ます。
見積もりをしてもらったら、確認すべきポイントは以下の通りです。
- 顧問契約に含まれる業務内容
- 顧問契約外の業務の料金
- 金額が相場とかけ離れていないか
見積もり内容をしっかり確認し、納得した上で契約を交わしましょう。
税理士の変更で避けるべき2つのタイミング
税理士を変更するにも、安易に解約時期を決めないように注意しましょう。
なぜなら、以下のようなタイミングは税理士の変更時期としてふさわしくないからです。
- 決算直前~申告期間
- 税理士事務所の繁忙期
決算直前〜申告期間
決算の直前や申告期間に変更をすると、会社の財務状況を把握することが難しいため断られる可能性が高いです。
もし引き受けてもらえても、申告業務を新しい顧問税理士にお願いすることになるため、節税効果は薄いといえるでしょう。
なぜなら、基本的に固定概念は定期的な訪問や会計チェックを行い、一年通して把握した経営状況をもとに申告業務を行うからです。決算間際や申告期間に新しく顧問税理士の依頼をしても、対応が難しいのです。
次の決算までの期間が長いと、スムーズに税理士の変更ができます。
税理士事務所の繁忙期
税理士事務所の繁忙期に変更をすると、引き受けてもらえない可能性があります。
なぜなら、繁忙期には税理士や事務所スタッフは業務に追われているからです。一般的な税理士事務所では、以下の時期を繁忙期としています。
- 個人の確定申告期間である2月〜3月
- 3月決算の会社の申告期間である4月〜5月
- 年末調整のある12月
繁忙期を避ければ、快く顧問契約を結んでくれる税理士が多いでしょう。
税理士を変更するための4つの手順
税理士を変更したいのであれば、以下の4つの手順通りに進めていきましょう。
- 契約書を確認する
- 新しい税理士を見つける
- 解約を申し出る
- 預けている書類を返還してもらう
手順を誤ると顧問税理士のいない状況になったり、会社の重要書類を紛失したりしてしまいます。経営が不安定にならないよう、しっかり手順を確認しておきましょう。
(1)契約書を確認する
税理士を変更しようと思ったら、まず契約書を確認しましょう。
なぜなら、顧問税理士の解約は「3か月前まで」「6か月前まで」という内容で契約している可能性が高いからです。つまり、解約を申し出たあとも一定期間は契約を継続することになります。
また、報酬についての取り決めも契約書に書かれているので、あわせて確認しましょう。
たとえば、「月をまたいだ場合は、1か月分の報酬を払わなければならない」などが考えられます。契約書を見直して、契約期間や報酬の支払義務について確認しておきましょう。
(2)新しい税理士を見つける
解約を申し出る前に、新しい税理士を見つけておきましょう。
なぜなら、先に税理士との契約を解約をしてしまうと、顧問税理士が不在の状況に陥るからです。万が一、税務署から連絡が入ると対応してくれる人がいないことになります。
解約時期には新しい税理士が決まっており、引継ぎもしてもらえるよう準備を進めましょう。
(3)解約を申し出る
新しい税理士が決まったら、契約をしている税理士に解約を申し出ましょう。
税理士の顧問契約を解約をしたいという旨と時期を伝えるだけです。たとえば、「3か月後の11月末で顧問契約を解約したいです」と伝えましょう。
(4)預けている書類を返還してもらう
解約のタイミングで、預けている書類を返還してもらいましょう。
たとえば、以下のような書類を預けているケースが多いです。
- 会社の定款や登記簿謄本
- 税務署への届出書
- 給与関係の書類
- 決算書
- 会計データ
- 請求書や領収書
税理士に預けている書類は、会社にとって重要なものばかりです。
また、新しい税理士に過去の書類を渡さなければ会社の財務状況を理解してもらえません。預けていた書類は必ず返還してもらいましょう。
おわりに
顧問税理士に不満を抱えているのであれば、変更を検討しましょう。
税理士の業務は、会社の根幹を支えるといっても過言ではありません。税理士に不満を持ったままだと、会社経営に大きな損害を与える可能性もあります。
新しく税理士を探すときは、長く付き合える人を選ぶようにしましょう。
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