大きな利益が生じた場合には経費などの支出を調整することによって、節税効果が期待できます。しかし、税金に関する専門的な知識が少ないと、どんな節税方法があるのかそもそも分からないという人も多いでしょう。
今回は、税金に関する知識が少ない人でも、簡単に節税できる方法を分かりやすく解説するほか、ラクに確実に節税できる顧問契約についても解説していきます。
売り上げの計上基準
会社を設立して事業を開始すると、色々なお金や商品の動きが生じますが、売上はいつ計上すればいいのでしょうか?
売上の計上基準について見ていきましょう。
売上の計上基準とは
売上の計上基準とは、いつ・どのタイミングで売上を計上するかという基準です。
現金決済の会社では、商品やサービスとお金を交換して受け取る際に売上げとする現金主義を採用しています。しかし、ほとんどの取引が現金でない限り、税務署が認めてくれません。
そこで、現金ではなく売掛金や買掛金を利用して事業を行う会社は、多くの場合、実現主義を採用しています。実現主義とは、会社の実情に沿った合理的な計上基準のことです。
基本的な売上の計上基準は3つ
多くの会社が採用している実現主義は、大きく以下の3つに分けられます。
- 出荷基準
- 引渡基準
- 検収基準
出荷基準とは商品が出荷されたタイミング、引渡基準とは商品が相手の方に届けられたタイミング、検収基準とは商品の検収が実施されたタイミングに売上を計上するというものです。
土地や建物を売る場合、請負の場合には、それぞれ独自のタイミングがあります。一度決めた売上の計上基準は、正当な理由がない限り、頻繁に変更できるものではなく、継続して使用することが決められているので注意しましょう。
税金対策の種類
税金対策と一口に言っても、その種類は多岐にわたるため、どのような節税対策があるのか、あらかじめ把握しておくことが重要です。
節税対策の種類について見ていきましょう。
節税対策の種類は全部で4つ
節税対策は大きく以下の4つに分けられます。
- お金の支出を伴わない王道的節税
- お金の支出を伴う保守的節税
- お金の支出を伴う投資型節税
- お金の支出を伴う消費型節税
王道的節税とは、経費の見直しや役員報酬の適正化など、業務改善や不要な機器の処分などで節税する方法です。
一方、保守的節税とは、保険加入の費用を経費として計上して、会社を守りながら節税につなげるものです。
また、投資型節税とは、社員の給与引き上げや社員教育などの費用を経費として計上するもので、所得拡大促進税制なども活用できます。
消費型節税とは、どうしてもさらに節税効果を得たい場合に、商品やサービスに対して消費する方法です。
節税方法は多岐にわたるので、自分に合った節税方法を選ぶようにしましょう。
決算賞与で節税できる事例

決算賞与とは、会社の売上が予想以上に良かった場合に、決算の前後に支払われる報酬のことです。上記でも触れたお金の支出を伴う投資型節税に分類されますが、どのようなメリットがあるのでしょうか?
決算賞与で節税するメリットについて見ていきましょう。
決算賞与で節税するメリット
決算賞与は、決算月に支払うものですが、条件を満たしている場合には、決算月に未払いの状態でも損金として処理できるので、法人税の節税効果が期待できます。
また、社員にとっては夏と冬に受け取る賞与とは別に受け取れるものであるため、モチベーションの向上につなげられるのも大きなメリットと言えるでしょう。
節税対策として顧問契約するという選択肢がある
節税対策には様々な方法があることが分かっても、うまく会社に取り入れることができなければ意味がありません。
そこで登場するのが「顧問契約」という選択肢です。節税対策として、税理士と顧問契約するメリットについて見ていきましょう。
税理士と顧問契約を結ぶメリット
税理士と顧問契約を結ぶことで、顧問料を経費として処理できます。他にも以下のようなメリットがあります。
- 経理処理の時間を削減できる
- 税務署対応を代理してくれる
- 会計や税務相談がすぐできる
- さらに節税効果が期待できる
税理士は経理処理のプロフェッショナルであるため、スムーズに経理処理を行ってくれるほか、税務署の対応も代理でしてくれます。
また、何らかのトラブルが生じてもすぐに相談できるほか、素人では思いつかない節税方法を提案してくれるなどのメリットがあります。
しかし、会社の売上が少ないうちは、顧問料が負担になる可能性もあるので、よく考えてから顧問契約を結ぶようにしましょう。
まとめ
節税対策と一口に言っても、その種類は多く、税金に関する深い知識がなければ節税効果を最大限に活かせない場合があります。
うまく節税効果を高めることができそうにない場合には、税理士の専門家に依頼するなど、プロの力を借りるようにしましょう。