資産運用

分散投資のメリットとは?リスクが軽減する仕組みや具体的な方法を解説

分散投資のメリットとは?リスクが軽減する仕組みや具体的な方法を解説

分散投資とは、金融商品を購入するタイミングや投資先などを限定せず、意識的に分散させてリスク軽減を行う投資方法です。資産運用に伴うさまざまなリスクを減らせる可能性があるため、投資初心者からベテラン投資家まで実施しています。

当記事では分散投資のメリットやデメリット、分散投資の具体的な方法、分散投資を成功させるコツなどを解説します。

分散投資の最大のメリットはリスクが軽減できること!

投資におけるリスクとは、「価格が変動する可能性(価格の振れ幅)」を意味します。具体的には、「社会の経済状況や企業業績で変動するリスク」「倒産・経営悪化などで投資先の返済能力がゼロになるリスク」などが挙げられます。

分散投資の最大のメリットは、この投資リスクを軽減できることです。値動きや性質が異なる多様な金融商品を複数購入することで、1つの商品が値下がりしたときに、他の商品の値上がりでカバーできるようにします。

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出典:金融庁|長期・積立・分散投資とNISA制度

投資の世界ではよく「don’t put all your eggs in one basket(1つのカゴに卵をすべて入れるな)」ということわざで表されます。

分散投資の簡単な例は次のとおりです。

  • 巣ごもり需要で価格が下がる外食チェーンの株式と、価格が上がるゲーム会社の株式という逆の値動きをする金融商品を購入する
  • ドル建てとユーロ建ての債券をどちらも持っておく
  • ハイリスク・ハイリターンの株式と、安全性の高い債券を購入する など

分散投資の効果やメリットについては、金融庁や各大手証券会社などでも説明されています。また、国の税優遇制度である「つみたてNISA」や2024年より始まる「新NISA」も、分散投資を前提とした内容となっています。

分散投資は投資初心者もベテランも意識すべき、投資の基本的な考えの1つだといえるでしょう。

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出典:金融庁|投資の基本

とくに安全な投資からスタートしたい初心者の場合は、必ず分散投資を意識して購入することをおすすめします。

気をつけたい分散投資のデメリット

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安全性の高い分散投資ですが、分散するからこそのデメリットも存在します。例えば次のとおりです。

  • 管理する銘柄が増える
  • 一度に多額のリターンを得づらい
  • 元本割れや損失の危険性がゼロではない など

保有する銘柄が増えるほど、チェックすべき銘柄ごとの保有数や値動きが多くなって管理負担が増加します。

また、分散投資は暴落した銘柄をカバーできるメリットとは逆に、大きく値上がりした銘柄と反対の値動きをする銘柄の存在によって、大きなリターンを得づらいデメリットもあります。暴落分をカバーしきれずに、損失が出る可能性があることも覚えておきましょう。

分散投資における3つの方法

分散投資において分散できる要素には、以下の4つが挙げられます。

  1. 時間
  2. 資産
  3. 地域

以下では「時間分散」「資産分散」「地域分散」について解説します。

購買タイミングをずらす「時間分散」

時間分散とは、金融資産を売買するタイミングをずらすことで、高値掴みや安売りする可能性を少なくする方法です。

時間分散を行う際は、「ドルコスト平均法」による継続的な積立投資で実施すると、よりリスクを抑えられる可能性が高まります。

積立投資とは、金融商品を定期的に少額ずつ積み上げるイメージで購入していくことです。

そしてドルコスト平均法とは、一定のタイミングで一定の金額分の金融商品を継続的に購入する投資方法です。「安いときは大量に購入し、高いときはあまり買わない積立」になります。

毎月1回・1万円分の購入と仮定した場合における、簡単な例は次のとおりです。

  1. 3月15日の価格は1口50円だった→1万円÷50円=200口購入
  2. 4月15日の価格は1口100円だった→1万円÷100円=100口購入
  3. 5月15日の価格は1口20円だった→1万円÷20円=500口購入

ドルコスト平均法は、「購入額が平準化される」「購入タイミングを考えなくてよい」といったメリットがあります。

なお、ドルコスト平均法そのものを積立投資と呼ぶケースもあります。

購入する金融商品をバラけさせる「資産分散」

金融商品には、有価証券の種類や銘柄などによってさまざまなものが存在します。

各金融資産は、値動きの幅や値が上下するタイミングが1つひとつ異なっています。異なる性質を持つ資産を複数購入すれば、資産分散効果を得ることが可能です。「リスクの高いものと低いもの」「国内と国外の商品」といった分散ができます。

以下では、各資産の主な特徴について概要をまとめました。

主な運用対象 特性の概要
株式
  • 株式会社が資金調達を目的に発行する有価証券
  • 株式を保有すると株主として配当金や株主優待が受け取れる
  • 世の中の経済成長や経営状態に左右されるので、リスクが高い金融商品
債券
  • 国や自治体が資金を借り入れるために発行する有価証券
  • 満期日や額面金額は決まっており、額面金額分の利子を定期的に受け取れる
  • 額面金額が決まっている分、リスクとリターンが低い金融商品
外貨建て資産
  • 経済や政治状況や通貨価値、利子などが異なる外貨に換えて運用する金融商品
  • 国内金融商品と異なる値動きをする
  • 為替市場や国外情勢の影響によるカントリーリスクがある
不動産
  • マンションや賃貸アパートなどを購入する投資方法
  • 家賃収入や不動産の売却益などを得られる
  • 不動産価格の変動や災害、空き室状況などに関するリスクがある
投資信託
  • 複数の投資家から集めた資金を専門家が運用する金融商品
  • 保有すると運用成果によって分配金を得られる
  • 商品自体がすでに分散投資の効果を得ているが、信託報酬などの手数料が発生する

また、より細かいものであれば「A社株式とB社株式」「C国の債券とD国の債券」などの、銘柄レベルでの分散投資も考えられます。

金融商品の購入先を国・地域で分ける「地域分散」

分散投資における地域分散とは、日本以外のさまざまな国・地域の金融商品を保有することです。

国内の金融資産のほとんどは、日本の経済状況や政治、企業業績、消費者の流行り廃りなどに影響されます。つまり日本という国が弱った場合、国内の金融資産価値が全体的に下がるリスクがあります。

そこで、日本の状況とは異なる値動きをする国外の金融資産も保有しておくことで、日本の金融商品の価格が下がったときのリスク軽減につながります。

さらに「アメリカと中国」「先進国と発展途上国」「フランスのA業界とB業界の株式」といった、異なる国・地域の資産や通貨も組み合わせるのも有効です。より大きな分散効果を得られます。

日本円以外の外貨を保有する「通貨分散」の考え方も存在します。

アセットアロケーション・ポートフォリオの考え方について

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分散投資において欠かせないのが「アセットアロケーション」と「ポートフォリオ」の考え方です。

アセットアロケーションとは、複数ある資産(アセット)の配分(アロケーション)を表したものです。投資予定の資金のうち「何%を株式に投資するか」「何%を債券に回すか」などを決定します。
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ポートフォリオとは、アセットアロケーションより具体的な銘柄の保有割合などを設計した情報のことです。例えば、アセットアロケーションで国内株式30%と決定した場合は「A社に20%・B社に10%」といったような配分にします。

アセットアロケーションやポートフォリオを決めておくメリットは次のとおりです。

  • 中長期的な資産運用の方針が決まる
  • 保有割合のバランスが崩れたときの修正に指標となる

「中長期投資は、運用成果の約9割がアセットアロケーションで決まる」と言われるほど、アセットアロケーションを決めることは重要です。より細かな分配を決定するポートフォリオも、初心者も意識すべきと大手証券会社や機関が発信しています。

リアロケーション・リバランスとは

リアロケーションとは、アセットアロケーションで決定した資産配分を別の配分を1から見直すことです。リアロケーションを考えるタイミングの例は次のとおりです。

  • 投資目的が変わったとき
  • 結婚・子育てや退職などライフイベントに変化があったとき
  • 年齢や収入の変化があったとき など

リバランスとは、アセットアロケーションで決定した資産配分の比率が変化したときに、もとの資産比率に戻すことです。

保有する金融資産の比率は、時間経過や経済状況などの要因で徐々に変化します。例えば国内債券60%・国外株式40%の保有だった場合、国内債券の価値が10%上昇・国外株式の価値が10%減少すると、配分が国内債券70%・国外株式30%と変化します。

この場合のリバランスは、国内債券を10%売却し、国外株式を10%購入します。とくに長期的目線での投資は資産比率の影響が大きいため、数ヶ月~1年程度でのリバランスを行い、運用指標を維持するようにしましょう。

アセットアロケーション・ポートフォリオを組む際に意識すべき点

アセットアロケーションやポートフォリオを組む際に意識すべきポイントは次のとおりです。

  • 20代・30代は積極的な投資、50代以降は老後に向けた投資など、年齢層ごとに適したものを組む
  • 定期的に見直し、収支状況を確認する
  • 手持ちの余剰資産や運用目的、運用期間に応じて決定する

闇雲に考えるのではなく、将来のライフプランなどを考慮した配分を検討しましょう。わからない点がある場合は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)や証券会社の窓口などに相談するのも1つの手です。

分散投資をさらに安定させる2つのコツ

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分散投資はリスク軽減に効果のある投資方法ですが、「長期投資を意識する」「投資信託から購入してみる」の2点を意識することで、より運用成果を安定させられる可能性が高まります。

以下では投資初心者におすすめする、分散投資をさらに安定させる2つのコツを解説します。

長期投資・積立投資を意識する

長期投資と積立投資は、分散投資と並んでリスクを低減させる投資方法として有名です。投資初心者は分散投資・長期投資・積立投資の3つを意識するのがよいでしょう。

長期投資とは、数年~数十年単位の長期的な目線で投資を続ける方法です。長期投資のメリットは次のとおりです。

  • 元本の利子をさらに投資に回して収益を上げる「複利効果」の恩恵が大きくなる
  • 短期投資と比べて、リスク・リターンの関係が安定するとのデータがある
  • 短期的な値動きに一喜一憂する必要がなくなる

積立投資のメリットは、先述した「時間分散」の部分で解説したとおりです。時間の分散によって、リスク低減効果を得られます。

分散・長期・積立を意識した投資であれば、国が実施している非課税制度である「つみたてNISA」の活用もおすすめです。

安全性の高い投資信託から購入してみる

分散投資を行うには、「金融商品ごとの特性・銘柄ごとの価値などの把握」や「資産の管理」、「初期費用の準備」など、投資初心者には少し難しい面もあります。

そこで投資初心者が分散投資を行う際は、投資信託の購入を検討してみてください。分散投資に、投資信託をおすすめする理由は次のとおりです。

  • すでに複数の商品が組み合わさっているので分散効果が高い
  • 100円程度の少額投資としてスタートできる
  • 個人では購入が難しい国外の金融商品を購入できる可能性がある
  • 運用を専門家に任せられる
  • 楽天証券やSBI証券など大手証券会社が取り扱っている など

金融商品の中でも、さまざまな面でのリスクの低さが投資信託の魅力です。ただし、収益効果は他の金融商品より低くなる傾向があったり、他の投資と同じく元本割れの可能性があったりなどの注意点があります。

初心者もベテランも分散投資で安全な投資を!

分散投資は、金融商品の購入タイミングをずらす「時間分散」、購入する金融商品の種類を分散する「資産分散」、日本以外の国や地域の金融商品を購入する「地域分散」などを行い、投資リスクを軽減する方法です。

分散投資をうまく行うには、アセットアロケーション・ポートフォリオの設定や長期目線の意識などが大切になります。リスクを分散させる組み合わせを検討し、安全な投資活動を進めていきましょう。

アセットアロケーション・ポートフォリオに関する相談や、投資活動全般のアドバイスを求める場合は、IFAへ相談してみるのもおすすめです。特定の金融機関に属さないIFAは、中立的かつ客観的な立場から、あなたのライフプランや希望に沿った金融商品や運用方針を提案してくれます。

企業の教科書
記事の監修者 安藤 正道
きわみアセットマネジメント株式会社 取締役

金融商品仲介業「きわみアセットマネジメント株式会社」取締役。
きわみアセットマネジメント株式会社は特定の金融機関に属さず、お客さまのライフプランに最適なアドバイスができるIFA法人です。お客さまの一生涯のパートナーとなり、寄り添います。ご相談は無料ですのでお気軽にお問合せください。

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