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アクセラレーターとは?インキュベーターとの違いも徹底解説!

アクセラレーターとは?インキュベーターとの違いも徹底解説!

アクセラレーターという言葉をご存知でしょうか。直訳は、加速させるもの。イギリス英語ではアクセルペダルの別称として用いられています。

しかし、日本でアクセラレーターの言葉が使われる場合は、大企業や地方自治体によって、出資をする際に行われるアクセラレータープログラムの事を指しています。

ではインキュベーターやベンチャーキャピタルの行う出資と、どう違うのでしょうか。アクセラレーターにはどのような種類や特徴があるのでしょうか。

そこで、当記事ではアクセラレーターを解説します。これから事業を成長させていこうとお考えの方は、ぜひご参考にしてください。

アクセラレーターの定義

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アクセラレーターとは、アクセラレータープログラムのことをさします。アクセラレータープログラムが果たす役割は年々大きくなっており、またその開催数も毎年増加しています。これは主に、近年のスタートアップ支援の流れや、社会全体の働き方改革などの流れに伴うもので、これから先ますます増加していくでしょう。

また、そうした社会背景に加えて、大手企業の雇用の流動性が低い日本においては、社外との連携をフレキシブルにすることができるという点でも、アクセラレーターは注目されています。

日本社会でその役割を拡大しているアクセラレータープログラムの定義をおさらいしたいと思います。

アクセラレーターとは

アクセラレーターとは、大手企業や地方自治体などが、新興企業(ベンチャー企業やスタートアップなど)に対して、その事業をさらに加速・発展させる事を目的としたプログラムの事です。

投資する側は通常は施設や物資、金銭を与え、その見返りに当該企業の株式や債券など保有している資産を譲り受けます。出資を元手に事業が大きくなった際に、それらを売却する事で得られるキャピタルゲイン等を得る方法が一般的です。

しかし、そうした通常の投資とは違い、アクセラレータープログラムは、スタートアップに対して自社のリソースを出資、支援することにより、事業の共同創出やオープンイノベーションを目的としたプログラムを提供する事です。

つまり、お金やモノ、場所だけを投資してもらうだけでなく、大手企業や自治体などの力を利用させてもらい、自社だけでは生み出せない事業を加速度的に発展させるためのプログラムをアクセラレーターと言います。

アクセラレーターとインキュベーターとの違い

アクセラレーターと同じような概念でよく間違われやすい言葉に、インキュベーターがあります。どのように違うのでしょうか。

実はとても似ていますが、出資を受ける側のステージがそもそも違っています。インキュベーターはまだアイデアしかない起業前の段階のスタートアップを支援し、起業させ加速度的に成長させるところまでを支援することや事業者のことです。アクセラレーターは、すでに起業している会社のプロダクトやソリューション(プロトタイプ)を支援し、加速度的に発展させることや事業者を指します。

それぞれとても似ていますが、ステージが違うという点で覚えておくと良いでしょう。

例えですが、インキュベーターはスポーツジムのようなもので、成長には自助努力が必要です。逆にアクセラレーターはブートキャンプやライザップのようなもので、成長まで二人三脚で強化していくものです。こう考えると解りやすいのではないでしょうか。

アクセラレーター開催の流れ

ここまでインキュベーターとの違いも含めた、アクセラレーターについてご説明してきました。では、実際にアクセラレーターとはどのようプロセスを経て、開催されるのでしょうか。

開催の流れは概ね以下の流れで行われることが多いとされています。

アクセラレーターの流れ①ビジネスプランの募集と説明会の開催

まずは加速度的に発展する事ができる事業であるかどうかが最も大切です。

そこで、ビジネスプランを大きく募集するとともに、どのようなビジネスプランが選ばれやすいのか、どのようにしてビジネスモデルを立てればいいのかなどを説明する、説明会を開催します。

アクセラレーターの流れ②アクセラレーターの選抜と協業予定のスタートアップの選定

次に、集まったビジネスプランをもとに、アクセラレーター企業を募集します。

この際、集まったビジネスプランに対して、加速度的な発展をさせることができるのかどうかや、それを実現するだけの支援ができるのかどうかなどをもとにして、選抜します。

同時に、ビジネスモデル側も将来的な発展が見込めるのかどうかや、イノベーションのジレンマに入ってしまわないかなど、様々な角度から検討がなされ、それぞれのマッチングが行われます。

選定手順としては、最初の3ヶ月でエントリーがあり、ブラッシュアップ、プレゼンディスカッションなどを経て決定されます。

アクセラレーターの流れ③アクセラレータープログラム開始及び出資

マッチングが行われたあとは、いよいよアクセラレーターからの出資が行われます。出資は金銭だけでなく、技術や様々な大企業や自治体のもつリソースが提供されます。

アクセラレーターの流れ④スモールテスト/実証実験

出資に基づいてスモールテストを行います。この実証実験を実施してうまくいくかどうかを確認する事なども行われており、アクセラレータープログラムを実施する際は1社だけを選定するよりも複数社を選定して、スモールテストを行い、最終的にそこからさらなる支援をするかどうかを検討するというやり方をとる場合もあります。

アクセラレーターの流れ⑤Demo Day・成果発表

スモールテストが終わった後行うのは、実際に市場テストです。

ただし、あくまでもセミクローズドやクローズド形式で行います。

これをDemo Dayと呼んでいます。

Demo Dayでは、出資企業と取引実績のある企業をはじめとするスタートアップとの接点を求める企業を招待し、セミクローズド、あるいはクローズド形式でアクセラレータープログラム採択企業によるスモールテストの結果を発表する場です。

Demo Dayの成果発表を通じて、可能性を感じてもらうことと、さらなるフォローアップをしていくかどうかなどの審査なども合わせてこの場で行います。

アクセラレーターの流れ⑥フォローアップ及びさらなる支援

こうした一連の流れを経て、素晴らしい成果を収めた企業や、出資企業やDemo Day参加企業とのシナジーが見込める場合に、さらなるフォローアップや追加出資などが行われていきます。

それだけではなく、こうしたオープンイノベーションの現場から別の新たな事業が創出され、新たなアライアンスやインキュベーションなどにつながっていきます。

このような6つのプロセスを経て、一般的にはアクセラレータープログラムは開催されます。単純な出資よりも社会に与える影響は大きいばかりでなく、双方向のシナジーも生まれやすい制度だとおわかりいただけるのではないでしょうか。

アクセラレーターの特徴

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ここまでアクセラレーターの定義とプロセスについて解説してきました。

既にアクセラレーターのメリットはかなり登場していますが、具体的にどういった点がメリットかをまとめてご紹介します。

アクセラレーターのメリット

まず、出資する大企業や自治体のメリットは以下の通りです。

アクセラレーターのメリット1、大企業の成長促進や成長鈍化傾向のリカバリー

大企業の成長が鈍化していたり、売り上げが減少傾向だったりする際に、アクセラレータープログラムを実施することによって、ベンチャー企業が持つ最新のイノベーションを加速度的に発展させ、顧客満足度を向上させたり、鈍化していた成長をリカバリーする効果につなげることができます。

アクセラレーターのメリット2、大企業病の解消

大企業はともすればリスクを採らなくなり、チャレンジングな事業やイノベーションを生み出すような動きからは敬遠しがちです。

しかし、そのように後ろ向きに既存産業ばかりを追い求めていると、いつか競合に出し抜かれたり、時代とともに産業が衰退するなどの社会的な情勢によって、危機に晒されることもあります。

そうした大企業的な風土を脱却し、イノベーションをベンチャー企業とともに起こしていくならば、常に大企業は時代に取り残されることなく、その力を刷新していくことができます。

そういった意味で、アクセラレータープログラムは寄与します。

次に、出資を受ける側のメリットをご紹介します。

出資を受ける側のメリット→大手企業のリソースを使える

プロトタイプの開発やR&Dを実施することはできても、実際に市場に投下してマーケティングを行い、爆発的なイノベーションを起こすには莫大な費用が必要です。

そして、費用だけでなく、そういったイノベーションを起こすために実際にPMF(プロダクトマーケットフィット)させるためのノウハウも必要です。

この点、大企業は長年の知識や実績の蓄積はもちろん、潤沢な資産を保有しており、それを利用して加速度的にイノベーションを進めることができるのが、アクセラレーターの最大の特徴です。

まとめ

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アクセラレーターは単にその資産を出資してもらい、自力でイノベーションを進めるだけでなく、大企業や自治体と連携してイノベーションを加速度的に推し進めるという点で、大企業や自治体側にも、スタートアップ側にもWIN―WINの制度です。事業の最大限の発展をお考えの方は、ぜひアクセラレータープログラムの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

企業の教科書
記事の監修者 宮崎 慎也
税理士法人 きわみ事務所 代表税理士

税理士法人きわみ事務所の代表税理士。
会社の立ち上げ・経営に強い「ビジネスドクター」として、業種問わず税理士事業を展開。ITベンチャーをV字回復させた実績があり、現場を踏まえた的確なアドバイスが強み。会社経営の問題を洞察したうえで、未来を拓くための手法を提案することをモットーにしている。

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