起業する際は、事業をある程度軌道に乗せるために資金が必要ですが、その資金を集める方法として挙げられるのが金融機関などから融資を受けるという方法です。しかし、最近ではソーシャルレンディングというものも登場しているのはご存知でしょうか?
今回は、新たな融資方法として登場したソーシャルレンディングとは一体何なのか、銀行との違いやメリット、利用時の注意点について解説していきます。
ソーシャルレンディングって何?
融資を受ける際、金融機関などに融資の申し込みを行うのが一般的ですが、ソーシャルレンディングの場合には誰に融資を申し込むのでしょうか?
ソーシャルレンディングとは何なのかについて見ていきましょう。
借り手と貸し手のマッチング
ソーシャルレンディングとは、ソーシャルレンディングを行っている企業が融資を直接行うのではなく、お金を借りたい会社(借り手)とお金を運用して増やしたい人(貸し手)をマッチングさせるというものです。
例えば、ソーシャルレンディングを行っている企業は、貸し手から預かった資金を借り手に12%の金利で融資し、自分たちは手数料として4%を徴収し、8%の利息を貸し手に渡すような仕組みです。
銀行との違い
金融機関の融資とソーシャルレンディングを比較すると、直接融資を行っているかいないかという違いがありますが、他に大きな違いとして以下の2つがあります。
- 融資対象の違い
- ビジネスモデルの違い
それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
融資対象の違い
銀行などの金融機関は企業に融資を行っているため、企業の信頼度が高いかどうかが重要になります。
一方、ソーシャルレンディングの対象は企業ではなく、プロジェクトに融資を行っているため、企業の信頼度よりもプロジェクトの成功が重要になると言えます。
ビジネスモデルの違い
銀行などの金融機関は、口座開設者から預かっているお金を一時的に借りて融資を行います。金融機関が勝手に行っているため、融資先に万が一の事態が生じても、口座開設者の元本は保証され、金融機関が損害をほぼ100%負担することになります。
ソーシャルレンディングは、借り手と貸し手のマッチングを仲介するだけなので、借り手に万が一の事態が生じても、ソーシャルレンディングを行っている企業には何の影響もありません。
貸し手の元本を保証する必要もないため、借り手に万が一の事態が生じた場合には貸し手だけが損をするというビジネスモデルになっています。
ソーシャルレンディングのメリット
ソーシャルレンディングと金融機関の融資には違いがあることが分かりましたが、ソーシャルレンディングにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ソーシャルレンディングのメリットについて見ていきましょう。
金融機関よりも融資を受けやすい
ソーシャルレンディングの大きなメリットは、融資に対して柔軟であるため、金融機関よりも融資を受けやすいという点です。
金融機関は、企業に対して融資を行うため、業績があまり良くなく、赤字が続いているような企業には、貸し倒れのリスクが高いので融資しません。
しかし、ソーシャルレンディングはプロジェクトに対して融資を行うため、業績の良し悪しに関係なく、そのプロジェクトが優れていると判断された場合には融資を受けることができます。
出資者が集まりさえすればまとまった融資が受けられるため、赤字が続いている企業にとっては助け舟のような存在であると言えるでしょう。
ソーシャルレンディング利用時の注意点
ソーシャルレンディングが融資に柔軟であるため、融資を受けやすいというメリットがあることが分かりましたが、サービスを利用するにあたっての注意点はあるのでしょうか?
ソーシャルレンディングサービス利用時の注意点について見ていきましょう。
金利が高いので長期融資に向かない
ソーシャルレンディングは、金融機関などの融資と比較すると、金利が高いというデメリットがあります。
そのため、返済期間を長く設定したり融資金額を大きくしたりする場合には、返済総額が大きく膨らむので注意が必要です。
ソーシャルレンディングを受ける際には、
- 必要最低限の金額に抑える
- 返済期間を短くする
など、返済負担が大きくならないように工夫しましょう。
まとめ
起業時は何かと資金が必要になるため、銀行などの金融機関から融資を受けるのが一般的ですが、金融機関は企業の実績などから融資を行うかどうか判断するため、簡単には融資を受けることができない場合があります。
その際には、企業の実績ではなく、プロジェクトが有望かどうかを判断して融資を行うソーシャルレンディングを活用するという方法もあります。
しかし、ソーシャルレンディングは、金融機関よりも柔軟に対応してくれるため、融資を受けやすいものの、金利が高く返済負担が大きくなります。メリットとデメリットの両面を考慮のうえで、判断しましょう。