税金・税務

限界利益とは?わかりやすく解説!理解して事業利益を最大化しよう!

限界利益とは?わかりやすく解説!理解して事業利益を最大化しよう!

「限界利益ってなに?」「営業利益や経常利益、限界利益などたくさんあってよくわからない」「事業利益を最大化したい」

本記事では、このような人に向けて以下のポイントを具体例・モデルケースを用いながらわかりやすく解説します。ぜひ限界利益をもとに、正しく・賢く経営分析を行い、利益を最大化しましょう。

限界利益を理解する必要性やメリットとは

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これから限界利益について詳しく解説していきますが、事業活動は「さまざまなコスト・費用(経費)を発生させながら利益を出していく」という基本的な考え方を押さえておきましょう。

コスト・費用を最小限に抑えて利益を最大化する方法として、さまざまな分析手法があります。その経営分析を行うために必要なものの1つが「限界利益」です。

限界利益をもとにすれば、コスト・費用をどのように改善すれば良いのか、そのまま事業を継続するべきなのかなど、経営において重要な判断をするための材料となります。逆に言えば、限界利益を知らなければこのような経営判断を誤ってしまう可能性もあるのです。

事業経営は判断の積み重ねです。その判断を行う材料として限界利益を理解することは必要なのです。ぜひこのポイントを押さえたうえで、以降の解説を読み進めていただければと思います。

限界利益とはなにか

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それでは早速、限界利益について解説していきます。

限界利益とは

限界利益は「売上高から変動費を引いたもの」です。この変動費は売るためにかかった費用と考えておきましょう。つまり、売上高からかかった費用を引けば、残るのは利益になります。

具体例で計算してみましょう。前提として、事業の固定費は10万円、1台の車を売るためにかかった費用(変動費)を50万円、売上高は100万円とします。そうすると、売上高100万円から変動費50万円を引けば50万円が残ります。よってこの場合の限界利益は50万円です。

この車を売る事業で考えると、限界利益は50万円なので、「1台売るごとに50万円の利益になる」のように考えられます。これが限界利益の本質であり基本です。

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このように、限界利益は難しいものではなく簡単なものです。しかし、ここでは簡単に理解してもらうために「変動費」の定義を簡単なものとしました。より深く理解するためには、変動費の理解も必要です。変動費については以降で詳しく解説します。

また、「売上高から変動費を引く」以外にも定義できます。例えば、「固定費に利益を加えたもの」とも言えます。そして別名で「貢献利益」と呼ばれることもあります。

この段階では、限界利益は「売上高から変動費を引いたもの」で、直接的な利益を表すものだというポイントを確実に押さえましょう。

限界利益率とは

限界利益率とは、「売上高に対する限界利益の割合」です。わかりやすくいうと、「売上のうち利益がどれだけあるか」を表すものです。もちろん高いほど良いということになります。

先ほどの車を売る事業の例だと、売上高100万円に対して限界利益が50万円なので限界利益率は50%です。つまり、売上のうち50%が利益ということになります。

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このように、限界利益率は「売上高に対する限界利益の割合」のことで、「売上のうち利益がどれだけあるか」を表します。(固定費は除く)

損益分岐点とは

損益分岐点は、利益と費用・コストが同じになる売上高です。損益分岐点を上回っていれば黒字ですし、下回っていれば赤字です。つまり、赤字と黒字の境目になります。このことから「採算点」とも呼ばれています。

損益分岐点は、「固定費÷{1-(変動費÷売上高)}」で計算できます。少しややこしくも見えますが、このうち(変動費÷売上高)は「限界利益率」のことですね。つまり、「固定費÷(1-限界利益率)」になります。

先ほどの車の例に、固定費が25万円だとすると、損益分岐点は「25万円÷(1-0.5)」となり、結果50万円になります。

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もちろん、売上高が少なくても黒字であることが好ましいです。つまり損益分岐点は低いことが理想です。損益分岐点を低くするためには、計算式から以下が重要であることがわかります。

  • 固定費を減らす
  • 限界利益率を増やす

当たり前といえば当たり前のことですが、つまりは固定費や変動費を減らせば少ない売上でも利益となりやすいということが導かれます。

事業活動で生じるコスト・費用について

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これまで「固定費」や「変動費」という言葉を使って説明をしてきました。ある程度のイメージは掴めていても、実際にどのような費用がどちらに分類されるのか曖昧という方に向けて、固定費や変動費を詳しく解説します。

固定費

固定費は、「売上の増減によって変動しない費用」をいいます。売上に関係なく発生する費用ともいえます。具体的には以下の費用が分類されます。

  • 人件費
  • 地代家賃
  • 水道光熱費
  • 接待交際費
  • リース料
  • 広告宣伝費
  • 減価償却費
  • 保険料
  • その他

これらは売上に関係なく必要な費用であることがわかるでしょう。売上によって、これらにかかる費用以上の売上を出さなければ赤字となります。この考え方を「固定費の回収」といいます。

変動費

変動費は「売上の増減によって変動する費用」です。一般的に売上に比例して増加します。具体的には以下の費用が分類されます。

  • 原材料費
  • 仕入原価
  • 販売手数料
  • 消耗品費
  • 外注費

これらは「活動原価(アクティビティコスト)」とも呼ばれます。

利益を表す指標について

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本記事では限界利益を解説していますが、深く理解するためにはその他の利益指標も理解する必要があります。結論として、限界利益は「固定費や変動費に着目した利益指標」で、固定費や変動費、売上高の関係から経営を判断することに特化した指標です。

特に営業利益との違いに関しては、「固定費が含まれるかどうか」となります。

対してこれから紹介する指標は、企業の外部の人がその企業の経営状態を理解することに特化しているとも言えるでしょう。

事前に、事業活動においては本業(営業)だけでなく財務活動なども行っているというポイントを押さえておきましょう。財務活動というのは資金繰りなどのことで、銀行から借り入れている利子の返済や株式による利益や損失なども考慮します。

経常利益

経常利益は、「事業全体から経常的に得た利益」をいいます。つまり、本業も財務活動も考慮した利益です。

営業で黒字であっても、借入金の返済などが大きければ、経常利益が赤字となる場合もあります。

営業利益

経常利益とは異なり、財務活動は考慮せず本業での利益のみをいいます。

具体的には売上高から材料費や販売費などを引いて算出します。

純利益

経常利益で全体的な利益を算出できますが、さらに「特別収益」や「特別損失」、そして「税金の未払い分」を考慮します。

つまり純利益はすべての収益からすべての費用を引いた利益で、最終的に企業に残るお金です。

限界利益をもとに経営分析を行い利益を最大化しよう

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限界利益は固定費、変動費、売上高とあわせて経営分析・判断することができるものです。この限界利益をもとに経営分析を行い、利益を最大化しましょう。

では具体的にどのように活用していくかについて解説します。

安全率を向上させよう

安全率とは、「売上高が損益分岐点に対してどれほど上回っているか」です。十分上回っている場合は安定した利益も出ているため、大きな要因がない限りは赤字にはならないと見込めます。

しかし、売上高が損益分岐点に近い場合は赤字となるリスクも高いと言えます。

安全率を高くするためには、売上高を上げるか損益分岐点を低くしなければいけません。そのため、売上高を増やす施策か、固定費・変動費を抑える施策をとりましょう。

事業を継続するかどうかを判断しよう

打てる施策は打ち切った状態で、営業利益が赤字となった場合、事業を継続するべきでしょうか。一見、赤字のまま事業を継続することは良くないように見えます。

しかし、限界利益を理解していればそうとも限らないことがわかるでしょう。なぜなら、固定費と変動費を投じて事業を行っているため、限界利益がプラスであれば事業や受注を継続することで固定費が回収できる見込みがあるからです。

まとめ

限界利益について、理解を深め活用するための解説をしてきました。ポイントを以下にまとめます。

  • 費用・コストを最小限に抑えて利益を最大化させるために、限界利益を理解して活用する必要がある
  • 限界利益は売上高から変動費を引いたもので、どれだけの利益が出るのかを表している
  • 限界利益率は売上高に対する限界利益の割合で、売上のうちどれだけ利益があるかをあらわしている
  • 損益分岐点は赤字と黒字の境目となる売上高
  • 限界利益によって、事業や受注を継続するべきかどうか判断できる

限界利益の理解と、今後の事業活動で正しく・賢く経営判断をするための参考としていただければ幸いです。

企業の教科書
記事の監修者 宮崎 慎也
税理士法人 きわみ事務所 代表税理士

税理士法人きわみ事務所の代表税理士。
会社の立ち上げ・経営に強い「ビジネスドクター」として、業種問わず税理士事業を展開。ITベンチャーをV字回復させた実績があり、現場を踏まえた的確なアドバイスが強み。会社経営の問題を洞察したうえで、未来を拓くための手法を提案することをモットーにしている。

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