会社を設立しようと考えたときに、どこで起業するかは売上に直結する重要なポイント。競争が激しい都心より、地方に活路を見出している方もいるかもしれません。
また、地方によっては起業すると補助金がもらえるところもあるので、都心よりもお得に起業できる可能性があります。
本記事では、地方で起業するメリット・デメリットをまとめました。また、地方で起業する際におすすめのビジネスもあわせてご紹介するので、これから会社設立を考えている方、地方での起業が気になっている方は参考にしてみてください。
地方で起業するメリット
まずは、地方で起業するときの5つのメリットをご紹介します。
地方に特化した支援制度がある
都心に商業などが集中しがちな現象を打破すべく、国の「地方創生」の施策に沿って、地方での起業を支援している自治体が増えています。支援制度は自治体によって異なりますが、ここでは長野県を例にとり、ご紹介します。長野県の主な支援制度は、以下の4つです。
- 地域創造的起業補助金:経済産業省が主催で、事業を行う際にかかった経費のうち、最大200万円を補助してくれます。
- 信州特化型ビジネス創業応援事業補助金:信州ベンチャーコンテストにエントリーした起業が対象で、クラウドファンディングで調達した資金にプラスして、最大200万円の助成を受けられます。
- 創業等応援減税:資本金が1000万円以下の会社を起業したときに、3年間法人事業税が全額免除になります。3年目以降も、全額ではありませんが免除されるのがポイント。
- ながの創業サポートオフィス:起業前から創業・ベンチャー推進員のサポートを受けることができます。起業までの流れがスムーズになるでしょう。
もちろん、地方で起業するしないに関わらず、上記に挙げた以外にも“起業”に際するサポートは数多くありますので、併せてチェックしておきましょう。
都心よりコストが安い(物件・人件費・物価)
地方で起業する最大のメリットが、開業コストを抑えられるという点。 東京都千代田区のオフィス家賃の平均は14,000円/坪(TAKE OFFICE調べ) なのに対し、徳島県徳島市のオフィス家賃の平均は4,000円/坪(HOME’S調べ) と、1坪のみで1ヶ月1万円の差額が生じます。つまり、東京で起業するよりも低コストで、より良い物件を借りることができるのです。
どうしても東京で起業をする必要性があり、コストを抑えたい場合には昨今ではレンタルオフィスやシェアオフィスなども主流となってきていますので、検討項目に入れておくのもいいかもしれません。
また、東京の最低賃金は985円なのに対し、徳島県は766円と、人件費も大きく差が出ます。少ない資本金で起業しようと考えている方には、地方での企業は向いているでしょう。
クラウドファンディングが豊富
クラウドファンディングとは、インターネットに事業内容や目標を載せることで、不特定多数の人から資金提供を得られるシステムのこと。インターネット経由なので、都心に住んでいても地方に住んでいても出資者を得るチャンスは平等なのが特徴です。
地方で起業するときには、地方の活性化や地方独自のブランドを前面に押し出すことで、より多くの人の共感を得て資金を集めることができるでしょう。
成功すると知名度が一気に上がるかも
地方では、口コミの影響力がとても大きいので、成功すると知名度が爆発的に上がる可能性があります。事実、北海道に本社を置く「ニトリ」や、千葉県に本社を置く「マツモトキヨシ」は地方出身でありながらも、今や全国展開している大企業です。
ただし、良い口コミが広がりやすいのと同時に、悪い口コミも広まりやすいのも事実です。悪評をたてられないように注意しましょう。
地方で起業するデメリット
地方で起業するのは、良いことばかりではありません。ここでは、デメリットを2つご紹介します。
地方だけでは市場が小さい
都心に比べると人口が少ないので、市場規模がとても小さいのが地方の特徴です。なので、都心と同じような売上を期待しても結果は厳しいでしょう。
ただし、現在はインターネット上での販売など、地方であっても都心と変わらない条件で経営できる会社の形もあるので、市場開拓は可能です。
人材の確保が難しい
人は雇用が溢れている大都市に流出してしまう傾向があります。地方のなかには過疎化が進んでいる地域もあり、人材の確保はとても難しいのが現状です。
しかし、これもインターネットを使えば解決可能。クラウドソーシングやリモートワークなどを利用すれば、出社する必要のない仕事に必要な人材は確保できます。
地方でおすすめのビジネス
地方だからこそおすすめのビジネスもあるので、ここでは主な3つをご紹介します。
ウェブビジネス
ネット環境と、パソコンさえ整っていれば、日本でも国外でも可能なのがWebビジネス。もちろん地方でも可能ですし、むしろ家賃などのコストが安いことから地方を選ぶ人も多いです。
地方産業を生かしたビジネス
地方産業を生かしたビジネスとは、地元の特産品などを使ったビジネス。ブランディングがしやすいのが特徴で、産業のアイデアを自分で考えなくても良いというメリットがあります。
例として、地方特産品などを扱うアンテナショップをイメージすると分かりやすいでしょう。
地方創生ビジネス
地方創生ビジネスとは、事業を通じて地方を活性化させるビジネス。地方であれば「自然体験ツアー」などが人気で、自然を体験するだけでなく、その道中にお土産を買ったり、食事をしたりすることで地方が活性化します。
まとめ
起業したいと考えたとき、地方で起業する選択肢もあることを忘れないでおきましょう。自治体の補助金などを使えば広告費節約ができるなど、地方にしかないメリットもあり、地方で起業した方がお得なケースはたくさんあります。
自治体にどのような支援制度があるかなど、しっかり下調べして、地方で会社設立をしてみてください。