起業したい、新しく事業を始めたいという方があらゆる準備を進めていくのは当然のことです。その中のひとつに、いつ会社を設立するかといった会社設立日についても入るのではないでしょうか?万全を期すとしたら、「縁起の良い日」を会社設立の日としたいところ。では、どのような日が「縁起の良い日」とされているのでしょう?ここでは、会社設立日に適していると思われる日と、その由来などを解説していきます。設立準備の参考にして頂ければ幸いです。
そもそも会社設立日っていつ?
そもそも会社設立日とはいつの日のことを指すのでしょうか?自分で決められるものなのでしょうか?
設立日は法務局に設立登記を申請した日
会社設立の登記は管轄の法務局へ申請します。登記申請の書類が受理された日が、会社の設立日です。直接法務局を訪れて申請するとその日が会社設立日になりますが、郵送やオンライン申請では受理日を予測できないこともあるので注意する必要があります。
「登記完了日」が設立日ではない
「登記完了日」とは、申請書を受理した法務局の諸手続きが終了し、証明書の発行などができるようになる日のことを言います。本来の法務局の業務としては、登記申請された日に諸手続きを終え登記完了させるのが原則でした。つまり、申請日が「登記完了日」となり、「会社設立日」でもあったのです。
しかし、書類の不備や実地調査の必要な場合、また大都市圏では申請数の多いことなどから、必ずしも申請日が「登記完了日」と同じ日にはならなくなりました。申請日による「登記完了予定日」をホームページに公開している法務局も多数あります。
会社設立日を縁起の良い日にしたい
せっかくなら万全を期したい起業準備。設立日が縁起の良い日であることに越したことはありません。「会社設立日」として相応しい日をご案内します。
寅の日(とらのひ)
寅の日はあらゆる吉日の中でも金運の強い日であり、十二日おきに巡ってくるため「会社設立日」として選ばれやすい日と言えます。寅の強そうでゴージャスな外観と「千里を駆けて千里を戻る」という古くからの言い伝えなども「寅の日」が選ばれる理由です。
大安(たいあん)
「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の六曜暦は、あらゆるカレンダーや手帳・日記帳などに記載されている、馴染み深い言葉です。このうちの「大安」は「大いに安し」の意味で何をやるにも良い日とされています。
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
ひと粒の籾(もみ)が1万粒の稲穂に実ることから、何かを始めるには縁起の良い吉日として好まれてきました。プラス方向にもマイナス方向にも1万倍になるということですので、ネガティブなことは避け、まさに会社設立などのポジティブな行為には適した日と言えます。
天赦日(てんしゃにち)
天赦日とは四季に1日ずつある「天がすべてを赦す日」です。何事をやるにも良い日で暦上の上でも最高の吉日と言われています。会社設立日にぜひとも設定したい日です。
会社設立に縁起の悪い日
暦には縁起の良い日もありますが、そうでない日もあります。そのような、「会社設立日」として避けたい日のひとつが「不成就日」です。
不成就日
不成就日とは、江戸時代初期に会津藩で制定されていた選日のひとつです。選日とは十二支や六曜など、暦の注記欄に記される吉凶占いのことを言います。毎月4日を不成就日とし、何をやっても上手くいかない日とされ、新しいことを始める日としては避けられてきました。
「運」だけでもだめ?決算日も視野に入れよう
縁起を担いで「運」を味方に付けることは大切ですが、決算日をいつにするかは起業・開業にあたって大事なポイントです。新設の会社は初期段階において、免税の対象となる場合もあるからです。会社の初期段階をできるだけ長く設定することで節税できるということです。
資本金1,000万円未満なら、初期は消費税免税
設立時の資本金1,000万円未満の法人に対しては2期目まで消費税が免税されます。ただし、最初の半期の売り上げと、従業員への給与・賞与がそれぞれ1,000万円を超える場合には免税されません。
決算日の変更は手間がかかる
免税措置をできるだけ長く受けるために、後になって初年度の決算日を変更することもできます。しかしながら、株式会社であれば株主総会での承認による定款の変更、所轄の税務署や役所への届け出、取引先や金融機関への変更手続きなどが必要です。また、初年度決算日をやむを得ず1年以上とする場合には、決算日と税申告の日が異なり、ますます煩雑な手間がかかります。
「迷って決められない」なら縁起の良い日を選ぶのも手
先人のビジネスモデルや起業マニュアルに学ぶことは大切です。さらに運を味方につけることも必要。日程に迷うくらいなら、縁起の良い日を選んだほうがより運を引き付けることができそうですよね。
大事なのは、ビジネスモデルや資金繰りなど科学的なこと
開業・起業においてもっとも参考になるのは経験者に学ぶことです。どの業種で事業展開するかによって、準備金や運転資金も変わってきます。
また、国や自治体の融資を受けられることもあり、税制優遇措置など知っておいて得する知識が多くあるので、会社設立にあたっての情報収集はもっとも大切なことと言えます。
ただ、「運も実力のうち」ともいう
万全のリサーチで準備が整ったら、「運」を味方に付けましょう。「運」とは不確かなものですが、実際に「1秒の差で助かった」とか「一歩間違ったら」という言葉は多く聞かれます。そして、その「運」を引き寄せるのは日々の精進、実力なのかもしれません。多くのプロフェッショナルが大切にしているルーティンにも似た「縁起を担ぐ」ということ、大切にしたい言葉です。
自分のモチベーションを高めるためにも、できることは全てやるといいでしょう。
何事を始めるにもスタートが肝心です。情報収集だけがすべてではなく、また運だけにすがるわけでもありません。ただ、ひとつも洩らさず、すべての準備を整えたことで気持ちはよりいっそう高揚します。高いモチベーションでスタートした企業はきっと成功するでしょう。
まとめ
いかがでしたか?起業に向けての煩雑な日々を過ごされて、そのうえ「会社設立日」の日程まで気にしてはいられないという方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、「いつにしようか?」「いつでもいい」と言うのであれば、あるいはせっかくすべての準備を整えるのであれば、縁起の良い日に会社を設立して、「運」を味方につけてみるのも大切なことです。
なお、きわみ事務所では会社設立や資金調達の相談を受け付けています。代表税理士はITベンチャーで役員を務めた経験があるという、業界でも数少ない「経営者目線」のアドバイスができる税理士です。会社設立をお考えの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。