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脱サラして失敗したときのリスクとは?

脱サラして失敗したときのリスクとは?

政府の働き方改革が浸透するなかで、職場における自分の存在意義を確認した結果、脱サラを検討する人も見られるようになりました。

でも、「脱サラが成功する人としない人」は必ずどこかにその分かれ目が存在します。脱サラに向けた勢いがあっても、計画が甘ければ飛び立つことはできません。では、脱サラと起業に失敗した際に起こる問題とリスクについてまとめてまいります。

脱サラで失敗したら悲惨!?

「脱サラは中途退職」であることを念頭に置くべきです。

脱サラを試みた人のほとんどが、なにかしら「成功の余地」を見出して会社との決別を決心するはず。でも、生計の基盤を根底から覆す決心が裏目に出てしまったら、生活が苦しくなるなど、悲しい結果を引き起こしてしまうことも考えられます。

脱サラ失敗あるある、嫁ブロック

脱サラを試みる人が既婚者だった場合、現実を見据えて生活を切り盛りする妻(嫁)が全力で夫の独立や転職を妨げることがあります。もちろん、家族に相談しない脱サラはありえない話ですが、結婚年数が経過し、学生の子供がいる率が高いほど「嫁ブロック」の比率が高くなりがちです。

脱サラで事業失敗した先に借金が残る

もし、反対を乗り越え、事業を起こしたと仮定します。起業した結果、事業がうまく軌道に乗らず、失敗してしまうこともあるでしょう。立て直しを図るために個人事業主としての借り入れを重ねたり、新規事業を起こしたりというようなことが続き、結局借金だけが残ることも。また、事業を起こすために代表者連帯保証人として借り入れをしても同じことが言えるでしょう。

脱サラ失敗で離婚、一家離散も・・・

残された借金の返済が滞れば、何らかの形で制裁を受けることになります。そういったことになる前に「民事再生」や「自己破産」などの手続きを始める人もいるかもしれません。

マイホームに抵当権を設定し起業資金の融資を受けた場合などは、家を手放すことになりますし、負債や税金の滞納などがあれば、マイホームが差し押さえられてしまうことも予想できるでしょう。お金にまつわる「つらいこと」が続けば、離婚はもとより、子供たちとも離ればなれになってしまうといった「一家離散」へつながることも考えられます。

脱サラで失敗を避けるには?

脱サラして失敗したときのリスクとは?の画像1

人生に「失敗」はつきものですが、家族を巻き込むことや、高額すぎるお金がまつわる失敗は人生を壊してしまう可能性も十分にあることを覚えておいてください。失敗を恐れていては前進することがありませんが、まずはサラリーマンを続けながら「脱サラ」に向けた行動を始めてはいかがでしょうか。

突然「会社を辞める」よりも、有益な時間へつながるかもしれません。

脱サラ失敗対策①副業を検討する

リーマンショックや働き方改革などの流れを経て、副業解禁の動きが出てきました。これまでの「副業」といえば、賃貸収入や投資という「不労所得」が一般的でしたが、

  • 他社で勤務をする
  • 会社員を続けながら事業主として働く
というような労務提供型の副業が認められるようになりました。

仕事をしながら起業に向けた副業をはじめ、軌道に乗ったら独立をするという方法や、「二足のわらじ」の考え方で、仕事と起業の両立を図る方法を模索することも一案です。

脱サラ失敗対策②サラリーマン時代に関係づくりをしておく

サラリーマンは同業他社や、取引先の従業員とのつながりなど人脈作りを大切にする傾向があります。異業種交流などをしてきた人のなかには、脱サラで起業した人とつながることもあるでしょう。脱サラをサポートしてくれる人・起業後に顧客となりうる人と出会えるかもしれません。

万が一事業が失敗したときに、関係がある企業への再就職ができるかもしれません。些細なことでも関係づくりは大切にしておくとよいでしょう。ただし、甘えがあるといけません。起業をするなら不退転の覚悟を持って行動をしましょう。

脱サラ失敗対策②リスクを抑えたビジネスモデルを考える

脱サラをする際に、どのような業態で起業をするのかを検討する必要があるでしょう。なかには、「ビギナーズラックで稼ぎたい、そのためには少々のリスクもアリ」と考える人もいるようです。でも、このような考え方は、冒頭に例示した「失敗への道」を貫いてしまうこともあるので、できるだけ「リスクを抑えたビジネスモデルの構築」が大切です。

その一例として、

  • 初期投資が少ない事業・維持費などのコストも抑える工夫ができる事業を選ぶ
  • 仕入れに関してBtoB (企業間取引)を応用した在庫を抱えない事業

などを検討してきましょう。できるだけ借り入れを起こさないビジネスを検討することも大切です。

一番大事なことは、「撤退のライン」を決めておくことです。

  • 3年間で軌道に乗らなかったら辞める
  • 事業資金が50万円を切ったら辞める
というようにラインだけは決めておきましょう。

脱サラ失敗を避けるには専門家に相談する!

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だれもが「脱サラで成功したい」という気持ちを持ちます。でも暗中模索の状態ではうまくいくことはまずありえません。もし、イチから事業を起こしたい・起業で成功をしたいという場合には専門家や経験者の相談をしましょう。

脱サラ失敗を避けるコツ①起業家に話を聞いてみる

身近に起業をした人が居るなら、聞いてみるのも手です。つてがない場合は、起業セミナーなに参加したり、起業コンサルタントに相談したりすることもできます。無料でコンサルしてくれる企業もありますので利用してみましょう。

脱サラ失敗を避けるコツ②税理士に話を聞いてみる

税理士は、多様なビジネスモデルを知っており、企業の経営状況を見ながら指導をすることもあります。経験豊富な税理士の場合、成功や失敗の事例を教えてくれるかもしれません。また、起業することで受け取れる助成金や補助金の情報 のほか、節税の手立てなど税理士ならではの情報も教えてもらえるかもしれません。

脱サラ失敗を避けるコツ③最初にお金をかけすぎない

起業前からセミナー参加にお金をかけてしまったり、コンサル料金を支払ったりというように、起業にいたらない状態からすでにお金をかけてしまう方も見られます。この時点の消費も「負債」と考えることもできるので、起業前からお金をかけすぎないようにしましょう。

まとめ

脱サラを検討しても家族に相談をせずに進めることは避けましょう。また副業で地盤固めをしながら独立を目指したり、働きながら人脈を作ったりするといった準備期間も大切です。また、成功をイメージするなら専門家から意見を仰ぐことも視野に入れ、納得できる脱サラを検討していきましょう。

企業の教科書
記事の監修者 宮崎 慎也
税理士法人 きわみ事務所 代表税理士

東京都千代田区にある税理士法人きわみ事務所の代表税理士。
会社の立ち上げ・経営に強い「ビジネスドクター」として、業種問わず税理士事業を展開。ITベンチャーをV字回復させた実績があり、現場を踏まえた的確なアドバイスが強み。会社経営の問題を洞察したうえで、未来を拓くための手法を提案することをモットーにしている。

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