会社を設立してある程度の利益が出るようになってくると、無駄な税金を少しでも減らすためにも節税対策が重要になってきます。しかし、節税と一口に言っても、どんな方法があるか分からないという人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、税金対策の1つである寄付金控除がどのようなものなのか、寄付金控除の種類や寄付金控除を受ける方法について詳しく解説していきます。
税金対策!寄付金控除とは
税金に対する節税対策の1つとして寄付金控除がありますが、寄付金控除とは一体どのようなものなのでしょうか?
寄付金で法人税を圧縮
寄付金を拠出することで、損金として会計上は処理されることになります。それが会社の売上の圧縮につながるため、結果的に法人税の圧縮にもつながります。
国や地方公共団体または公益社団法人や公益財団法人といった要件を満たしている団体に対する寄付は全額損金に算入することが可能です。
しかし、特定公益増進法人に対する寄付や一般的な寄付金は上限が定められているため、節税目的で寄付金を拠出する場合には注意が必要となります。
そもそも寄付金って?
そもそも寄付金とはどんな経費のことをいうのでしょうか?寄付金について詳しく見ていきましょう。
寄付金とは
寄付金とは、金銭や物品、その他経済的利益の贈与または無償の供与のことです。定義そのものが明確ではないため、ケースごとに対応していく必要があります。
例えば、協賛金は寄付金として扱われる場合とその他の経費として扱われる場合があります。協賛金が広告を目的としている場合は宣伝広告費として扱われますが、神社の祭礼などに該当する場合には寄付金として扱われる可能性があります。
自分の中では寄付金と思っていたつもりでも、上記のように宣伝広告費に該当する場合や接待交際費などの別の経費に該当する場合があるので事前に確認する必要があります。
寄付金の種類
寄付金と一口に言ってもその種類は多く、寄付金の種類によって控除の上限が決まっているので、よく理解しておくことが重要です。
寄付金として、主に以下の4種類が挙げられます。
- 国や地方公共団体に対する寄付金
- 財務大臣が指定する寄付金
- 特定公益増進法人等に対する寄付金
- 一般的な寄付金
それぞれの寄付金について詳しく見ていきましょう。
国や地方公共団体に対する寄付金
国や地方公共団体に対する寄付金とは、国や都道府県、市区町村などに寄付を行うものです。
震災などの義援金で、国や地方公共団体に直接寄付した場合のほか日本赤十字社や報道機関などに直接寄付した場合の寄付金も該当する可能性があります。
財務大臣が指定する寄付金
財務大臣が指定する寄付金とは、公益目的で、広く一般的に募集されているものや、公益性や緊急性が高いものです。
赤い羽根の共同募金は、広く一般的に募集されているものであるため、財務大臣が指定する寄付金に該当します。
特定公益増進法人等に対する寄付金
特定公益増進法人等に対する寄付金とは、公共法人や公益法人などの中でも教育や科学の進行などのように、文化向上、社会福祉への貢献などに対するものです。
日本赤十字社の事業費・経常経費に充てられる寄付金や特定NPO法人が行っている特定非営利活動に関する寄付金などが該当します。
一般的な寄付金
一般的な寄付金とは、上記3つに該当しない寄付金のことです。例えば、町内会や政治団体に対する寄付金、神社や寺、宗教法人に対する寄付金などです。
さまざまなものが一般的な寄付金に該当しますが、自分の中では寄付金と思っていても他の経費に該当する場合があるので、確認してから寄付を行いましょう。
寄付金控除を受ける方法
寄付を行ったからといって、自動で寄付金控除が受けられるわけではありません。寄付金控除を受けるためには、確定申告をおこなう必要があります。
どのように確定申告を行えばよいのでしょうか?確定申告について見ていきましょう。
控除を受けるには確定申告が必要
寄付金は、全てが損金として計上されるわけではなく、寄付金の種類で一部上限が決まっているものもあります。
例えば、「国や地方公共団体に対する寄付金」や「財務大臣が指定する寄付金」は全て損金で計上できますが、「特定公益増進法人等に対する寄付金」と「一般的な寄付金」は上限が決まっています。
上限が決まっている寄付金に関しては、計算方法が複雑であるほか、どの寄付金がどれに該当するのか素人には判断できない場合があるため、税理士などの専門家に相談した方が良いと言えるでしょう。
まとめ
会社を設立して、売上が増えてくると、年々法人税が増えていくことになるため、何らかの形で節税対策を行っていきます。
節税対策の1つとして寄付金控除がありますが、寄付金と一口に言っても、種類が豊富なだけでなく、種類によっては全額損金として計上することができないものもあるので注意が必要です。
寄付金控除を最大限に活用するには、どのような寄付金があってどの程度の節税が期待できるのかあらかじめ理解しておくことが重要です。節税対策が不安な場合は、税理士などの専門家に事前に相談しましょう。