トップマネジメントに携わる人は孤独になりやすいもの。特に経営に関する決断や相談事は、プライドや重大さから相談することを躊躇してしまう人も。
しかし、自分だけで抱えていても好転することは少ないです。知識を持った人に相談することで道が開けることもあるので、経営相談をできるようなパートナーを見つけることは大切。
ここでは経営相談で相談する内容や相談相手、経営相談をする際に気をつけたいことを紹介します。
経営相談で相談することが多い相談内容
経営相談とは、経営のことで悩んでいる相談者に対して、会社経営に関する情報を伝えたり、専門家がアドバイスすることです。相談者は法人や個人事業主などの経営のトップマネジメントをする人。
経営者をはじめ、経営に携わる人が相談したいことは以下のようなものが挙げられます。
- 資金繰りの相談
- 補助金の申請方法
- 経営再建の相談
- M&Aや事業継承の相談
- 創業や起業の相談
経営には多くの決断や選択が必要で、自分1人で決めることに重圧を感じることもあるでしょう。そのような相談者の気持ちをしっかりと汲み取り、最善の方法をアドバイスしてもらえるのが経営相談のメリットです。
資金繰りの相談
経営相談でよく相談されやすい相談が、資金繰りの相談です。現金が手元にないと、家賃や仕入れの掛け金、従業員の給与などの支払いが滞る可能性があり、企業としては危険な状態に……。
金融機関からの融資を中心に資金調達をおこない、一刻も早くしっかりと事業が運営されるように改善する必要があります。
- どのように資金調達を進めていくのか
- どこに融資を頼むべきなのか
- 使えるサポートはないか
このようなことを相談したい気持ちがあり、経営者は経営相談に訪れます。
補助金の申請方法
必要だからこそ設定されているはずなのに、複雑で手続きが難しい補助金の申請。申請したい気持ちがあるのにどうすれば申請できるのかわからないからと、受けられるはずの補助金を受け取れないのはもったいないです。
- 具体的にどのような補助金があるのか知りたい
- 補助金の申請方法を知りたい
- 補助金の申請をすべて任せたい
このようなことも経営相談の場で話題に上がります。
経営再建の相談
資金繰りと同じように経営相談で相談されるのが経営再建についてです。
倒産を回避すべくなんとか事業を立て直したいけれど、具体的にどのように進めていけばいいのかわからない経営者は多いもの。経営相談を通して具体的な経営再建の道のりをはっきりさせることで、経営者は従業員に指示を出したり、実際に事業を進めることができます。
M&Aや事業継承の相談
中小企業を中心に、後継者不足に悩む事業者も増えています。どれだけいい事業をしている企業であっても、後継者がいないことによって廃業してしまうことも少なくありません。
- 廃業の他に選択肢はないのか
- どうしたら後継者を見つけられるのか
このようなことを相談したいだけでなく、事業継承やM&Aに必要な法律についての知識を得たいと相談しにくる経営者もいます。
創業や起業の相談
頻度はあまり高くないですが、創業や起業のための相談をすることもあります。
個人事業主としての開業はそれほど難しくありませんが、株式会社を起業するには複雑な手続きや書類の提出が必要。
- どのような書類を揃えるのか
- どこで書類を作成してもらうべきなのか
- いつ起業すべきなのか
このように起業に関する情報を集めるために企業相談を利用することもあります。
経営相談をするのにぴったりの相談相手とは?
いろいろな場面で利用できる経営相談ですが、相談相手は誰でもいいわけではありません。社内の人に相談すると情報漏洩や忖度による本音を隠した回答が返ってくる可能性もあります。個人事業主やフリーランスの場合、そもそも相談相手がいないことも。
経営相談をする相手は次のような人をオススメします。
- 金融機関
- 商工会議所・商工会
- 税理士
順番に見ていきましょう。
金融機関
1番相談しやすい相手は取引している金融機関ではないでしょうか。経営状況もよく知っている間柄。金融面というシビアな視点からアドバイスをもらえるので、一番現実的な助言をもらうことができるでしょう。
デメリットとしては、経営状況を詳しく知られているからこそ、融資の相談には厳しくなりすぎてしまう可能性があること。経営再建の可能性に賭けて補助金の申請などをしたくても「難しいですね」などと突き返されてしまうことがあるかもしれません。
商工会議所・商工会
金融機関には相談しにくかったり、あえて顔見知りではない相手に相談したかったりする場合には、地域を管轄する商工会議所や商工会の相談窓口を利用するのも手。補助金やサポートに関する情報もしっかり把握しており、具体的にどのように手続きをすべきかも教えてもらえます。
商工会議所を利用するデメリットは、どうしてもその場限りの対応になってしまうこと。継続して同じ担当者に相談することが難しいため、前回相談したことの続きを聞きたいといった相談はできないことが多いです。
税理士
税務の面におけるプロである税理士も、実は頼れるパートナーです。
税金関係の相談だけでなく、近年は経営相談にものってくれる税理士が増えています。また、必要な書類の作成を請け負ってくれることも。
顧問税理士がいる場合には顧問税理士に、顧問税理士を決めていない場合は以下のようなポイントに注目し、税理士を選びましょう。
どこまでの範囲のサポートをしてくれるのか
どのような実績がある担当者なのか
このようなことを調べたうえで、無料相談などを活用して相性を見てみるのがオススメです。
経営相談をする際に気をつけるべき注意点
頼れる相談相手に経営相談をするのはとてもいいこと。経営判断は難しい局面も多くあるため、少しでも負担を軽くするためにも相談できることは相談したほうがいいでしょう。
しかし、経営相談をする際には気をつけるべきこともあります。特に、次のようなポイントには気をつけましょう。
最終的に決めるのは自分であると理解する
相談相手がどのようなことをアドバイスしてきたとしても、最終的に経営判断をするのは自分自身であることは忘れずにいましょう。周りのアドバイスはあくまでも助言であり、経営に関する決断を下すのはご自身です。
「あの人がああ言ったから」などと他人のせいにするのではなく、どのような結果になったにせよ、自分が選択したことであるというのは理解しておきましょう。
経営には信頼できる相談相手がいたほうがいい!
孤独になってしまいがちな経営者には、信頼できる相談相手がいるだけで負担が軽くなるはずです。
信頼できるしっかりとした専門家に依頼することによって、経営者の時間を確保することができ、業務に割ける時間を増やすことができます。
自身や会社との相性をふまえたうえで、経営者の立場にたって提案してくれる専門家をパートナーとして迎えましょう。