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企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは?労働者に喜ばれる制度の概要や手続きを解説

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは?労働者に喜ばれる制度の概要や手続きを解説

「従業員が安心して働ける職場をつくりたい」

「育児中の従業員が就業できるようサポートをしたい」

このように悩み、考える事業主の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでぜひ活用したい制度が、本記事で紹介する「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」です。

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業は、内閣府が委託する事業で、厚生年金保険を半額負担する事業者などの従業員がベビーシッターを利用した場合、その料金の割引券を交付するものです。

2020年7月時点では、新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置として個人事業主などが対象となったり、通常の割引券の助成制限が緩くなったりなど、多くの人にとってより便利に活用できる措置がとられています。

本記事では、企業主導型ベビーシッター利用者支援事業について、以下のポイントを解説します。

  • 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは
  • 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置とは
  • 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業のメリット
  • 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の注意点
  • 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の申請・手続きについて

ぜひ従業員の福利厚生を充実させるため、本制度活用に向けて参考にしてください。

  1. 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは
  2. 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置とは
    1. 【特例措置のポイント①】個人事業主・自営業・フリーランスなども本支援制度を受けられるようになった
    2. 【特例措置のポイント②】割引額の利用枚数の制限が緩和された
    3. 【特例措置のポイント③】割引券を使用せずにベビーシッターサービスを利用した場合でも割引額の返還を受けられる
    4. 【特例措置のポイント④】夏休み期間中は特例措置の対象外
  3. 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業のメリット
    1. 【ベビーシッター利用者支援のメリット①】事業主は低コストで手厚い福利厚生環境が構築できる
    2. 特例措置において利用した割引券は非課税所得に
  4. 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の注意点
    1. 【注意点①】利用者自身が使用条件を満たしているか確認が必要
    2. 【注意点②】ベビーシッターサービス利用にかかったすべての費用に割引券が使用できるわけではない
    3. 【注意点③】事業主は制度の認定を受けるために審査に通る必要がある
    4. 【注意点④】特例措置で使用する場合は割引券の裏面の事由欄を必ず記入する
    5. 【注意点⑤】年度中に使用しなかった割引券は返却する
  5. 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の申請方法・手続きについて
    1. 【申請方法・手続き1】申請書類の記入・作成
    2. 【申請方法・手続き2】申請書類を窓口へ送付
    3. 【申請方法・手続き3】請求書にもとづき発行手数料などを振り込み
    4. 【申請方法・手続き4】割引券の受け取り(郵送)
  6. 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業のまとめ

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは?労働者に喜ばれる制度の概要や手続きを解説の画像1

画像引用元:企業主導型ベビーシッター利用者支援事業リーフレット 2|内閣府

※画像中「1枚あたりの手数料」は最新の情報ではありません

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業は、冒頭のとおり内閣府が委託する事業で、「厚生年金保険を半額負担する事業者などの従業員がベビーシッターを利用した場合、その料金の割引券を交付するもの」です。

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の全容は、下表のとおりです。

通常 特例措置
実施事業者 公益社団法人全国保育サービス協会(ACSA) 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
利用対象者 事業主等に雇用される労働者(アルバイト・パート、厚生年金保険の被保険者である役員なども含む) 以下すべてに当てはまる者 ①個人で仕事をしている(自営業、フリーランスなど) ②配偶者が仕事をしていたり、ひとり親であったりして、ベビーシッターを利用しないと働き続けられない ③新型コロナウイルス感染症の影響で子供の通う小学校や保育所等が休校・休園等になっている
対象児童 乳幼児又は小学校3年生までの児童 身体障害者手帳または療育手帳の交付を受けている場合などは小学校6年生まで 乳幼児又は小学校3年生までの児童 身体障害者手帳または療育手帳の交付を受けている場合などは小学校6年生まで
利用条件 配偶者の就労、病気療養、求職活動、就学、職業訓練等に より、又は、ひとり親家庭であることにより、サービスを使わなければ 就労すること(職場への復帰を含む。)が困難な状況にあること 小学校や保育園などが臨時休業となることに伴い、保護者の休暇取得や学童クラブの利用がかなわず、ベビーシッター利用による新たな費用の支出を余儀なくされた場合
割引額 (通常)2,200円 (多胎児が2人の場合)9,000円 (多胎児が3人以上の場合)18,000円 2,200円
事業者負担割引券発行手数料 (通常)中小企業は70円、その他は180円 (多胎児が2人の場合)中小企業は270円、その他は720円 (多胎児が3人以上の場合)中小企業は540円、その他は1,440円 ※認定審査手数料に別途7,000円 なし
1日の上限枚数 通常1枚だが、特例措置として5枚まで 5枚
1ヶ月の上限枚数 通常24枚だが、特例措置として120枚まで 120枚
年間上限枚数 通常280枚だが、特例措置として上限なし 多胎児分は原則2枚だが、以下の場合は年度内に4枚までとなる ・多胎児が3人以上 ・身体障害者手帳の交付を受けている者がいる ・療育手帳制度の交付を受けている者がいる ・同等程度の障害を有すると認められた者がいる場合 ・要介護認定を受けた家族がいる場合 ・ひとり親家庭の場合 上限なし
所得税における所得分類 雑所得 非課税所得

参考元:【新型コロナ関連】休校・休園でお困りの家庭に朗報!ベビーシッター割引券の申請・利用の流れ|フリパラ

参考元:ベビーシッター派遣事業のご案内 [令和2年度版]|全国保育サービス協会

上記参考元をもとに筆者作成

上表が本制度の現時点(2020年7月)の全容ですが、上表のみでは理解しにくい場合もあるため、ポイントを並べます。

  • 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業は内閣府が主導し、「全国保育サービス協会(ACSA)」と「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」が実施機関として内閣府から委託されている
  • 利用できる者は、通常の場合、実施機関の認定を受けた事業主等に雇用された従業員や厚生年金保険の被保険者である役員
  • 今般の特例措置において、個人で就業するフリーランスなども対象となった
  • ベビーシッターを利用する対象児童は原則小学校3年生までだが、特別な事由がある場合小学校6年生までとなる
  • 割引券を利用する条件として、配偶者の就労、病気療養、求職活動、就学、職業訓練など、またはひとり親家庭であることなど
  • 割引券は1枚あたり通常2,200円だが、年度内に原則2枚まで使用できる多胎児分の割引券については多胎児2人の場合9,000円、3人以上の場合は18,000円の割引額となる
  • 割引券は実施機関が認めた事業主が実施機関に申請することで発行され、その手数料は上表のとおりで、事業者が負担する
  • 今般の特例措置により、1日あたり、1ヶ月あたり、1年間あたりに使用できる割引券の枚数が上表のとおり緩和されている
  • 割引額について、上表のとおり原則は「雑所得」だが、特例措置による割引券の使用は「非課税所得」となり課税されない

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置とは

先ほど企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の全容を解説しましたが、ここでは特例措置をピックアップして解説していきます。

特例措置のポイントは以下のとおりです。

  • 【特例措置のポイント①】個人事業主・自営業・フリーランスなども本支援制度を受けられるようになった
  • 【特例措置のポイント②】割引額の利用枚数の制限が緩和された
  • 【特例措置のポイント③】割引券を使用せずにベビーシッターサービスを利用した場合でも割引額の返還を受けられる
  • 【特例措置のポイント④】夏休み期間中は特例措置の対象外

それぞれ順に解説します。

【特例措置のポイント①】個人事業主・自営業・フリーランスなども本支援制度を受けられるようになった

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは?労働者に喜ばれる制度の概要や手続きを解説の画像2

画像引用元:企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置について(個人で就業されている方向け)|全国保育サービス協会

通常の制度では、「全国保育サービス協会に申請し認定を受けた事業者に雇用されたもの(厚生年金保険の被保険者)」が本制度の利用対象者でした。

しかし、今般の保育園、小学校が臨時休校となるなど新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、「フリーランス協会」は政府に対して本制度の対象者をフリーランスまで拡大するよう要請していました。

その要請が現実となり、以上の画像3のように対象者が拡大しました。これにより、本制度は「申請して承認を得た事業主に雇用される者」と「個人事業主・自営業・フリーランス」なども対象となり、多くの人が制度を活用できるようになりました。

【特例措置のポイント②】割引額の利用枚数の制限が緩和された

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは?労働者に喜ばれる制度の概要や手続きを解説の画像4

画像引用元:企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置について(個人で就業されている方向け)|全国保育サービス協会

特例措置においては、以上の画像5のとおり平常時での利用枚数上限が緩和されました。

これにより、割引額は1日に最大11,000円、1ヶ月に最大264,000円となりました。そのため、今までベビーシッター利用料金が想定以上の価格となっていたものに対しても、割引券の利用を前提として利用推進が可能です。

ただし、利用者の割引券使用上限枚数は緩和されていますが、承認事業主が全国保育サービス協会に対して「1回に申し込める枚数」は以下のとおり制限されています。

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは?労働者に喜ばれる制度の概要や手続きを解説の画像6

画像引用元:令和2年度ベビーシッター派遣事業の注意事項|全国保育サービス協会

【特例措置のポイント③】割引券を使用せずにベビーシッターサービスを利用した場合でも割引額の返還を受けられる

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは?労働者に喜ばれる制度の概要や手続きを解説の画像7

画像引用元:ベビーシッター派遣事業のご案内 [令和2年度版]|全国保育サービス協会

通常の場合は、上図のとおりベビーシッターを利用する際には、ベビーシッターに対して割引券を提出しなければなりません。そのため、実際にベビーシッターサービスを利用する前に割引券が郵送もしくは交付により手元にあることが前提です。

しかし、特例措置においては以下のように定められており、「事後申請でも割引が受けられる場合も」あります。

なお、令和3年度の本事業について、割引券の使用に関する事業主の承認、割引券の発行に時間を要することから、令和3年4月1日より令和3年6月30日までの間、割引券を使用せずにベビーシッターサービスを利用した場合においても、割引券の交付後、以下の手続きにより割引額の返還を受けることができることといたします。
お示ししている取扱いによらなかった場合には、割引料金の支払いが受けられない場合がありますので、ご留意ください。

引用元:企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における「ベビーシッター派遣事業」の令和3年度の取扱いについて|内閣府

【特例措置のポイント④】夏休み期間中は特例措置の対象外

特例措置においては、夏休み期間中は対象外です。その理由としては以下のとおり、特例措置が発動する根拠は「新型コロナウイルス感染症の影響に関わる休校・休園」のためで、新型コロナウイルス感染症の影響ではない夏休み期間中の利用は対象外です。

⑫夏休み期間も利用して大丈夫ですか?また、例年7月中旬から夏休みに入りますが、今年は7月31日まで週一日の分散登園の予定です。7月31日までは、登校日以外の日に利用できますか?

【回答】 夏休み期間につきましては、新型コロナウィルスの影響に関わる休校休園に該当しませんので、利用対象外となります。 例年夏休みが始まっている7月最終週の分散登校日以外の4日間につきましては、割引券をご利用いただかなくとも例年通りお過ごしいただけるようであれば利用をお控えいただきたいところではございますが、シッターを利用しないとお仕事ができないというご状況でしたら通常保育時間の範囲内で十分にご配慮の上、お使いいただければと思います。

引用元:よくある質問 〜企業主導型ベビーシッター利用者支援事業編〜|フリパラ

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業のメリット

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業のメリットを解説します。メリットは以下のとおりです。

  • 【ベビーシッター利用者支援のメリット①】事業主は低コストで手厚い福利厚生環境が構築できる
  • 【ベビーシッター利用者支援のメリット②】特例措置において利用した割引券は非課税所得に分類され課税されない

それぞれ解説します。

【ベビーシッター利用者支援のメリット①】事業主は低コストで手厚い福利厚生環境が構築できる

事業主サイドで企業主導型ベビーシッター利用者支援事業のメリットは、低コストで手厚い福利厚生環境が構築できることです。

特例措置においては1ヶ月の割引券の上限枚数は1家庭あたり120枚とされています。そのため、支援額は通常の場合で1ヶ月最大26.4万円です。

事業主が負担する割引券の発行手数料は労働者の数によっても変動しますが、中小企業の場合は1枚あたり70円、その他は180円です。つまり、1家庭において事業主は1ヶ月の上限枚数である最大120枚分の発行手数料である21,600円を負担し、最大26.4万円の支援を行えます。

特例措置において利用した割引券は非課税所得に

特例措置において利用した割引券は「非課税所得」です。

通常使用の場合は「雑所得」に分類されます。そのため、ベビーシッターサービスの利用者は所得税額を気にせずに割引券の使用ができます。

具体的には、雑所得はその他の所得と合算され所得税額が計算されるため、割引額に応じて税額も増えます。

雑所得の金額は、給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。

引用元:No.1500 雑所得|国税庁

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の注意点

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業を活用するうえで注意しておきたいポイントもあります。そのポイントは以下のとおりです。

  • 【注意点①】利用者自身が使用条件を満たしているか確認が必要
  • 【注意点②】ベビーシッターサービス利用にかかったすべての費用に割引券が使用できるわけではない
  • 【注意点③】事業主は制度の認定を受けるために審査に通る必要がある
  • 【注意点④】特例措置で使用する場合は割引券の裏面の事由欄を必ず記入する
  • 【注意点⑤】年度中に使用しなかった割引券は返却する

また、保護者(ベビーシッター利用者)向けの注意点は、厚生労働省が以下のようにまとめているためそちらも参考にしてください。

参考:ベビーシッターなどを利用するときの留意点|厚生労働省

それでは注意点について以降で簡単に解説します。

【注意点①】利用者自身が使用条件を満たしているか確認が必要

これまでにも解説してきているとおり、企業主導型ベビーシッター利用者支援事業には使用条件が定められています。ポイントは以下を参考にしてください。

  • 事業主等に雇用されている労働者または自営業・フリーランス
  • 小学校3年生までの児童を養育している(特別な場合は小学校6年生まで)
  • 配偶者の就労、ひとり親家庭などサービスを使わなければ就労することが困難な状況にある

もしこれらの条件にあてはまらない場合は、割引券の使用はできないため注意してください。

【注意点②】ベビーシッターサービス利用にかかったすべての費用に割引券が使用できるわけではない

割引券は、ベビーシッターサービスを利用するうえで発生する費用のすべてを対象に割引されるものではありません。具体的には以下のとおりです。

2 1に規定する保育等施設への送迎は、原則として家庭内における保育等のサービスに必要な送迎であって、次のアからエの規定を充たす場合にのみ割引券の対象とする。
ア 家庭と保育等施設との間の送迎であって、保育等施設間の送迎ではないこと。
イ 同一家庭以外の複数の乳幼児等を同時に送迎するものでないこと。
ウ 送迎の間の行程や乳幼児等の様子について、ベビーシッターが保育記録として記載しており、それにより保護者に報告していること。
エ ベビーシッターの所属するベビーシッター事業者(公募団体が割引券等を取り扱う事業者として認定した者。)が運営する保育等施設の送迎でないこと。
3 割引券は、利用料金が1回につき使用枚数×2,200円以上のサービスを対象とする。なお、この場合における利用料金とは、ベビーシッター事業者から請求される料金のうち、純然たるサービス提供対価のことをいい、会費、交通費、キャンセル料、保険料等のサービス提供に付随する料金は含まないものとする。

引用元:企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における「ベビーシッター派遣事業」の令和3年度の取扱いについて|内閣府

つまり、割引の対象は「家庭内における保育や世話」と「ベビーシッターによる保育所等や認可外保育施設への送迎」に限られます。会費、ベビーシッターの交通費、キャンセル料、保険料などは割引の対象ではないため注意してください。

【注意点③】事業主は制度の認定を受けるために審査に通る必要がある

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業は、申請すればどの事業主も認定が受けられるわけではありません。本制度には以下のような記載があります。

① 実施団体は、割引券等の取扱いを希望するベビーシッター事業者(以下「割引券等取扱希望事業者」という。)が、事業の実施に当たり一定の質を確保したサービス水準及び事務処理能力等を備えている事業者であるかどうかを審査・点検し、割引券等取扱事業者として認定すべきかどうかの判定や割引券等取扱事業者の事業の実施状況を点検するため、ベビーシッター派遣事業割引券等取扱事業者審査・点検委員会(以下「審査・点検委員会」という。)を設置する。

引用元:ベビーシッター派遣事業実施要綱|内閣府

つまり、一定の質を確保したサービス水準であるか、事務処理能力を備えているかどうかを審査委員会により審査されます。

【注意点④】特例措置で使用する場合は割引券の裏面の事由欄を必ず記入する

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは?労働者に喜ばれる制度の概要や手続きを解説の画像8

画像引用元:新型コロナウイルス感染症対策のための小学校等の臨時休業等に関連した「ベビーシッター派遣事業実施要綱」の令和2年度における取扱い等について|全国保育サービス協会

この点は非常に重要です。特例措置で使用する場合は、割引券裏面の事由欄を必ず記入しなければなりません。なぜなら、特例措置の適用が受けられないためです。

割引券の使用手続きについて

対象者は、特例措置で使用する場合には、実施要綱第5中1(11)④イに 加えて、割引券の裏面(本券及び報告用半券)の事由欄に特例措置によるベ ビーシッターの利用が必要となる事由(※)を記入することとする。 なお、事由欄に記載が無い場合には特例措置の適用は受けられない ので、 実施団体、承認事業主及び割引券取扱事業者においては、記載漏れに十分注 意するよう、対象者に対して注意喚起を行うこと。 ※事由欄には休校等になった日時及び学校等の名称を以下の記載例のとおり記載す ること。 記載例)○月○日 ○○小学校が休校のため ○月○日 ○○保育園より登園自粛要請が出されたため など

引用元:新型コロナウイルス感染症対策のための小学校等の臨時休業等に関連した「ベビーシッター派遣事業実施要綱」の令和2年度における取扱い等について|全国保育サービス協会

【注意点⑤】年度中に使用しなかった割引券は返却する

割引券の返却は必須ではありませんが、割引券を返却することで手数料分の金額から事務手数料1,000円を差し引いた額が還付されます。

割引券の返却期限は毎年4月15日(必着)までとされており、この期日内でないと受け付けてもらえません。

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の申請方法・手続きについて

それでは、企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の申請方法・手続きについて解説します。なお、本記事では事業主向けの申請・手続きについて解説します。

特例措置において個人で申請する場合は以下のリンクを参考にしてください。

参考:【新型コロナ関連】休校・休園でお困りの家庭に朗報!ベビーシッター割引券の申請・利用の流れ|フリパラ

事業主が本制度を利用するための申請方法・手続きの流れは次のとおりです。

  1. 【申請方法・手続き1】申請書類の記入・作成
  2. 【申請方法・手続き2】申請書類を窓口へ送付
  3. 【申請方法・手続き3】請求書にもとづき発行手数料などを振り込み
  4. 【申請方法・手続き4】割引券の受け取り(郵送)

順に解説していきます。

【申請方法・手続き1】申請書類の記入・作成

事業主が企業主導型ベビーシッター利用者支援事業を活用するためにまず行わなければならないことは、「承認の申込手続き」です。この手続きにあたり、承認申込書など以下の申請書類が必要です。

【申請方法・手続き2】申請書類を窓口へ送付

先ほど紹介した申請書類などの準備が終わったら、それらを実施機関の窓口へ送付します。郵送の場合、メールの場合それぞれの送付先を以下に示します。(2020年度分)

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは?労働者に喜ばれる制度の概要や手続きを解説の画像9

画像引用元:ベビーシッター派遣事業のご案内 [令和2年度版]|全国保育サービス協会

なお、申込期限は毎年4月1日から翌年2月20日までとされています。

【申請方法・手続き3】請求書にもとづき発行手数料などを振り込み

実施機関(全国保育サービス協会など)に承認されると、手数料などが請求されるため、遅くとも翌年2月末日までに振り込まなければなりません。

【申請方法・手続き4】割引券の受け取り(郵送)

手数料などの振り込みが確認されたら、「翌日以降の最初の水曜日」に発行され、割引券が送付されます。

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業のまとめ

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業について詳しく解説してきました。企業主導型ベビーシッター利用者支援事業は、内閣府が委託する事業で、厚生年金保険を半額負担する事業者などの従業員がベビーシッターを利用した場合、その料金の割引券を交付するものです。

特例措置によって、利用枚数の条件が緩和されたり、フリーランスなども本制度を利用できたりしています。

事業主の方は、ぜひ低コストで福利厚生環境を構築できる本制度の活用をぜひ検討してみてください。

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは?労働者に喜ばれる制度の概要や手続きを解説の画像10
企業主導型ベビーシッター利用者支援事業とは?労働者に喜ばれる制度の概要や手続きを解説の画像11
企業の教科書
村宮 淳子
記事の監修者 村宮 淳子
社会保険労務士法人 きわみ事務所 所属社会保険労務士

2021年5月に登録したばかりの新人社労士です。
弁護士としては、就業規則作成を中心に、労働法分野に携わってきました。
また、大学ではこれから社会へ出ていく学生達に向けて、労働法に関する講義をしています。
今後は、社会保険労務士の専門分野である労働法、社会保険関係手続等や企業の労務管理について研鑽を深めるとともに、企業の担当者が気軽に相談できる社労士を目指したいと思います。

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